大相撲・貴景勝、現役引退表明。後進の指導に専念へ

貴景勝、現役引退を表明

大相撲秋場所13日目の20日、関脇貴景勝（28歳、常盤山）が現役引退することが明らかになった。師匠の常盤山親方（元小結隆三杉）が、この日午後に日本相撲協会に貴景勝の引退届を提出したことを明かした。

常盤山親方は、貴景勝の引退を決意した経緯について語った。「11日目の夜に貴景勝から『お話ししたいことがあるので』と連絡があり、部屋に来た。部屋で会って『引退させていただきます』と伝えてきた」と、貴景勝の言葉をそのまま伝えた。同親方は、「よくやりました」と、貴景勝のこれまでの努力をねぎらった。

引退会見は、早ければ14日目の21日にも行われる予定だ。貴景勝は今後、年寄「湊川」を襲名し、常盤山部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たる予定である。

貴景勝の経歴

貴景勝は2014年秋場所で初土俵を踏み、2016年夏場所で十両、2017年初場所で幕内に昇進した。2018年九州場所では小結として幕内初優勝を果たし、2019年夏には大関に昇進。突き押しを武器に、通算4度の優勝を果たした。

しかし、貴景勝は慢性的な首の痛みに悩まされ、昨年名古屋場所を最後に優勝から遠ざかっていた。今年は5場所中1度しか勝ち越さず、4度の休場を余儀なくされた。今場所は10勝以上の特例による大関復帰を目指していたが、初日から2連敗。3日目に「頸椎椎間板ヘルニアで3週間程度の安静加療を要する見込み」として休場し、大関復帰の夢は消滅した。

貴景勝のプロフィール

貴景勝光信（たかけいしょう・みつのぶ）の本名は佐藤貴信。1996年8月5日、兵庫県芦屋市生まれ。4歳から極真空手を始め、小3の終わりには全国大会で準優勝。小4から相撲を始め、埼玉栄高校では全国7冠を獲得した。しこ名は師匠の貴乃花親方（当時）が尊敬する上杉謙信の後継者、上杉景勝から取られている。本名の「貴信」は、父がファンだった貴乃花と織田信長に由来する。

2020年11月には、元大関北天佑の次女で元モデルの有希奈さんと結婚し、1男の父親となっている。幕内優勝は4回、通算成績は441勝254敗116休。身長175センチ、体重165キロ、血液型はO型。