青野未来と高橋奈七永、DREAM✴STAR GP2024で火花散る激闘!
青野未来と高橋奈七永の激闘 DREAM✴STAR GP2024で火花散る
28日、愛知県・名古屋国際会議場でマリーゴールドの『DREAM✴STAR GP2024』が開催され、高橋奈七永と青野未来の初対戦が注目を集めた。青野は新生アクトレスガールズの絶対的エースとして君臨し、マリーゴールド移籍後もトップ戦線で活躍。純白のベルト(UN王座)の初代王座を巡るトーナメントでの激闘で、団体旗揚げ直後のスタートダッシュに大きく貢献し、劇的な王座戴冠を果たした。
しかし、青野はアクトレス時代から「チャンピオンとしての発信力」が課題として指摘されていた。戴冠直後に始まった初代タッグ王者決定トーナメントでは、シングル王者としての存在感が薄れ、その後のDREAM✴STAR GPでも黒星は1つだけだったものの、優勝争いに絡む選手との試合はことごとく引き分けに終わり、最終戦を前に優勝の可能性が消滅。成績面でも発信力面でも埋もれる形になってしまった。
青野は常識ある真面目な人格者であり、破戒的でエゴの塊のような人間がのし上がっていくプロレス界においては不利な側面もあった。しかし、青野は弾けた。23日の後楽園ホール大会で優勝の可能性が消滅した青野は、突然パッションを燃やし、最終戦で対戦する高橋奈七永をリングに呼びつけた。奈七永がマイクで畳み掛けるも、青野は「パッション!パッション!」と声を張り上げて対抗し、周囲を驚かせた。青野がなりふり構わずリング上で感情をむき出しにすることは極めて稀なことであり、この奈七永戦を経て、ついに青野が「優等生」という枷を外すことが出来るのではないかと期待が集まっていた。
試合前には青野が握手を求め、奈七永もしっかりその手を握り返した。青野が奈七永を引き寄せてラリアットを叩き込み、試合開始のゴングが鳴った。序盤から場外戦での激しい殴り合いが展開され、奈七永はヒザへ、青野は右腕に狙いを定めて一点集中攻撃を展開。奈七永が「もっと来いよ!チャンピオンコラ!」と痛む右腕でビンタをバチバチと見舞ってパッションを見せると、青野も珍しく雄たけびを上げながら怒涛の蹴撃ラッシュをかけて、WARスペシャルからドラゴン・スリーパーと新技を立て続けに解禁した。
最終盤には激しいラリアット合戦の末に両者大の字でダブルダウン。先に起きた青野がハイキックからダブルアーム・スープレックス・ホールド。レフェリーがカウントを2つ叩いたところで15分フルタイムドローを告げるゴングが鳴った。再戦を誓った青野未来と高橋奈七永は、けたたましく連打されるゴングを無視してビンタ、ビンタ、ビンタと激しく殴り合いを展開。奈七永が人差し指を突き立てると、青野も人差し指を立てて再戦を誓った。
バックステージに戻った奈七永は、「お前それでチャンピオンって胸張って言えんのか!あたしも引き分けになっちゃってるから偉そうなこと言えないけど。何度でも厳しく、私が生きてる内に!パッションしてる内に!何度でもプロレス教えてやりましょうか」と青野に厳しくも愛ある喝をかけた。そして自身のリーグ戦については、「悔しい悔しい以外の言葉がない!でも今回1ヶ月駆け抜けたお陰で自分の中で課題もあったし、成長した点もあったし、まだまだ28年やってたって進化が止まらねえんだッ!!高橋奈七永のプロレス、これからどんどん見に来いよ。マリーゴールドには高橋奈七永がいる!それを今回このリーグ戦で証明したつもりだ!まだまだパッションは終わらない!パッションッ!!」と絶叫。その生き様を以て青野に「プロレスラー」としてのあるべき姿を示した。
青野は有言実行の優勝が叶わなかったことを涙を流しながら悔しがり、「本当に悔しさが残るリーグ戦となってしまいました。でも、こっからまだまだ私は強くなる!絶対強くなってチャンピオンとしても、そしてマリーゴールドのエースになれるように、私はまだまだ成長し続けます!」と決意を新たにした様子だった。
マリーゴールドの最大の強みの1つは、「女子プロレス界の人間国宝」を有していること。奈七永は引退を視野に入れてマリーゴールド入団を決めた旨を明かしており、残された時間はそう長くないかもしれない。キャリアが浅い選手たちが奈七永からどれだけのパッションを、女子プロレスの魂を継承できるかどうかが団体躍進の鍵となるかもしれない。