国宝瑠璃光寺五重塔を彩る「昇華-shouka-大内文化」プロジェクションマッピング、2024年9月開催

国宝「瑠璃光寺五重塔」のプロジェクションマッピング「昇華-shouka-大内文化」

山口県山口市にある国宝「瑠璃光寺五重塔」では、約70年ぶりとなる檜皮葺（ひわだぶき）屋根の全面改修の機会を捉えて、空間アートプログラム「昇華-shouka-大内文化」が展開されています。2024年9月8日からは、世界的に活躍する舞台芸術監督・森弘一郎さんが監修する第2弾のプロジェクションマッピングが登場します。この作品は、大内氏の過ごした時間を「四季」に見立て、冬・春・夏・秋の映像と音楽で大内文化の世界を表現します。

「四季」に溶け込む大内文化の世界観

今回の作品も前回同様、改修中の国宝瑠璃光寺五重塔を覆うデザインシートを舞台に繰り広げられます。さらに、香山公園塔影の池東側の通路では、人の動きに合わせて季節の演出が変化するインタラクティブなプロジェクションマッピングもスタートします。大人も子どもも楽しめる仕掛けで、話題を集めそうです。

プログラムの見どころ

［オープニング］大内菱が輝く新たな物語の始まり

新たな物語の始まりを象徴するオープニングシーンでは、五重塔が霧に包まれ、やがて霧が晴れると、タイトルと共に大内家の家紋「大内菱」が星のように輝きながら昇っていきます。過去の思いが晴れ、今もなお星となって大内家の人たちが見守っている様子が表現されています。

［冬］雪景色の五重塔にたたずむ弘世公

弘世公がこれまでの自身の歩みと大内文化の繁栄へ思いをはせる様子が表現されています。寒さを感じさせる粉雪が降り、一の坂川が浮かび上がる中、五重塔がしだいに雪に覆われていきます。雪に包まれた五重塔の前に現れた弘世公の姿は、冬の厳しさと共に、大内氏が乗り越えてきた困難を象徴しています。通路を歩くと、積もった雪が人の動きに合わせて溶けていく演出も行われます。

［春］山口の地に咲き誇る桜と大内文化

桜が芽生え、幹が成長し、やがて満開の桜が一面を彩る見応えたっぷりの［春］のシーン。桜が根を張り咲き誇るまでに成長する様子は、大内文化が山口の地に根付き、さらに発展していく姿を象徴しています。さらに、桜の色合いが交ざり合う様子で、さまざまな人たちや慣習を受け入れ独自の文化を生み出していく大内文化の精神性が見事に表現されています。人の動きに合わせ、足元で桜の花びらが舞う通路での演出も楽しいです。

［夏］初夏に咲く睡蓮と満月に映える五重塔

初夏の雨が水面に波紋を広げ、睡蓮が美しく咲く印象的なシーンからスタートします。やがて満月が五重塔の背後に現れ、秋への移ろいを感じさせてくれます。泥の中で成長し清らかな花を咲かせる睡蓮の様子は、大内文化が現代まで清らかに成長してきた姿を象徴しています。同時に、初夏の雨が睡蓮を咲かせるように、大内文化が歴史の波紋を広げ発展していく様子も表現されています。通路では、人が歩くたび、水面に新たな波紋が広がる涼やかな演出が実施されます。

［秋］舞い散る紅葉と大内文化の歴史

朝日が五重塔を照らし、紅葉が色付き地面に散り積もる中、五重塔は何度もさまざまな色に塗り替えられ、最後には一筋の流れ星の輝きを浴びます。こうしたシーンは、大内文化の長い歴史と移ろいゆく時代の流れを象徴し、落ち葉が肥しとなって大内文化が後世に受け継がれていく様子を描いています。長い歴史の中で、変わったものと変わらずに受け継がれてきたもの、現在の山口に息づく大内文化とは何かを問いかける表現がなされています。通路では、人の動きに合わせ落ち葉が舞う演出が行われます。

監修は舞台芸術監督の森弘一郎さん

日本のダンスシーンを経て渡米し、その後、舞台芸術の世界を知り、北欧デンマークを中心にヨーロッパへ活動の場を広げた森弘一郎さん。ダンスの枠を越え、芸術的表現者として舞台芸術の道へ進みました。劇場公演「くるみ割り人形HIPHOPバージョン」をはじめ、数々の舞台でデンマーク国内最高評価六つ星を取得し、同作品ではデンマーク最高峰の劇場アワード「Reumert Award」において3部門を受賞。また、「Danish Culture Canon」児童文化部門にも選ばれています。海外だけでなく、日本の伝統文化や歴史に触れながら幅広く活動しています。

「昇華-shouka-大内文化」プロジェクションマッピング概要

開催期間: 2024年9月8日～2025年1月3日(金)
開催時間:
- 9月: 19時30分～22時
- 10月: 18時30分～22時
- 11月以降: 18時～22時
- 12月31日: 18時～24時30分
開催場所: 香山公園(山口県山口市香山町7-1)
- 土日祝は山口県庁駐車場も利用可