大谷翔平:2024年の驚異的な活躍と波乱万丈のシーズン
ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平、2024年シーズンの活躍と波乱
ロサンゼルス・ドジャースへの移籍初年度となった大谷翔平の2024年レギュラーシーズンが、現地時間の9月30日に幕を閉じた。昨年受けた右肘の手術の影響もあり、今シーズンは二刀流を封印し、バッターに専念。前人未到の“50-50”(50本塁打、50盗塁)を達成した。最終的には54本塁打、59盗塁、130打点、打率.309を記録。本塁打と打点はナ・リーグトップで、打率は2位。三冠王にあと一歩及ばなかったが、驚異的な活躍を見せた。
ドジャースは3年連続でナ・リーグ西地区優勝を果たし、11年連続でプレーオフ進出。大谷も念願のプレーオフに出場することとなった。まさに“打者・大谷翔平”としては理想的なシーズンだったが、その始まりはネガティブな話題から始まった。
水原被告の事件と開幕の苦境
3月20日のソウルでの開幕戦で、当時大谷の通訳を務めていた水原一平被告が試合後のクラブハウスで、ギャンブル依存症であることを全選手の前で告白。さらに、大谷に借金の肩代わりをしてもらったと嘘をついた。その後すぐに、大谷の銀行口座から無断で多額の金を盗んでいたことが明らかになり、水原被告は銀行詐欺罪で訴追された。
この前代未聞の事件から始まった大谷の新シーズン。開幕当初は、調子もなかなか上がらなかった。大谷がドジャース移籍第1号のホームランを打ったのは、4月3日のジャイアンツ戦。開幕から9試合目、41打席目だった。
「開幕と同時に水原被告の事件が発覚し、大谷に対しても水原被告関連の話題で報じられることが多かった。大谷自身もなかなか野球に専念できる状況ではなく、だからこそホームランがなかなか出なかったという見方がほとんどでしたね」(スポーツライター)
“贅沢税逃れ”の指摘と新居報道
昨年12月、エンゼルスからドジャースへフリーエージェントで移籍した大谷。契約は10年総額7億ドル(約1000億円)で、アメリカプロスポーツ史上で最高額だった。この7億ドルのうち、大谷が毎年受け取るのは200万ドルで、契約の97%が契約終了後に無利子で支払われる見込みだと報じられた。
「毎年大谷に払う金額を少なく抑えて、その分をほかの選手の年俸や補強に充ててほしいという、大谷からの提案だったと言われています。MLBでは戦力の均衡を図るため、球団の年俸総額が基準を超えると“贅沢税”などと呼ばれる課徴金が課せられるルールになっています。大谷が毎年の受け取る額を少なく抑えたのは、いわば“贅沢税逃れ”なのではないかとの指摘もありました。たしかにほかのチームのファンにしてみれば、ズルいやり方に見えてもおかしくはないわけで、大谷に対する批判も少なくなかった。そのうえで、水原被告の事件が明らかになったということもあり、相当な逆風が吹き荒れるなかでの開幕だったと言えますね」(スポーツライター)
さらに、日本国内では“日本テレビとフジテレビが出禁”という騒動もあった。今年5月、大谷がロサンゼルス市内に785万ドル(約12億3000万円)の新居を購入。国内外のメディアがこぞってこのニュースを報じるなか、日本テレビとフジテレビが新居の場所を特定できるような形で詳報したところ、プライバシーを著しく侵害された大谷が激怒。その結果、日テレとフジのドジャースの取材パスが凍結されたという。
「新居報道については、大谷にまったく落ち度はないものの、余計な雑音になっていたのは間違いない。こういった報道が原因となって調子を落とす選手も少なくないなかで、何もなかったようにホームランを打ちまくり、盗塁をしまくる大谷は、本当に異次元の存在ですよ。今シーズンの結果を見る限りでは、まさかいろいろな騒動があったとは思えない。何もかもをなかったことにするくらいの活躍ですからね」(スポーツライター)
真美子さんとデコピンの存在
何かとネガティブな動きも少なくなかった大谷の周辺だったが、その一方でポジティブな話題もあった。今年2月に発表した、真美子さんとの結婚だ。
「当初は『お相手は日本人女性です』としか発表していなかったため、真美子さんが公の場に出てくることはないのではないかとも言われていましたが、ソウルでの開幕前に真美子さんとの写真をインスタグラムで公開しました。その後、オールスターゲームでのレッドカーペットにも真美子さんと2ショットで登場したほか、地区優勝を決めた後もベンチ前で真美子さんと愛犬のデコピンと3ショットの記念撮影をしていました。爽やかでお似合いな夫婦の姿が、大谷の好感度を高めたのは間違いない。真美子さんの存在が、水原被告の事件によるイメージ悪化を防いだと言っても過言ではないでしょうね」(スポーツライター)
愛犬デコピンは8月28日に行われたオリオールズ戦で始球式にも挑戦。その可愛らしい姿で、世界中を魅了した。
「真美子さんとデコピンという家族の存在は、今シーズンの大谷にとってとても重要だったと思います。仮に真美子さんの存在を隠したままだったら、さまざまな形でのメディアの詮索もあったかもしれませんが、オープンにしたことでファンもメディアも祝福ムードになったのも事実です。水原被告の事件については想定外のマイナスな動きでしたが、それを払拭するには十分すぎるほど、家族からのプラスの効果があった。今シーズンの驚異的な成績は、大谷個人だけでなく、家族で勝ち取ったものと言えるかもしれませんね」(スポーツライター)
次なる目標:ワールドシリーズ
最高のシーズンを終えた大谷にとって、次なる大きな目標がプレーオフを勝ち進み、ワールドシリーズで優勝することだ。果たして、家族とともにその栄光を勝ち取ることはできるのか──。大谷翔平の今後の活躍に注目が集まる。