68歳男性、SNSで知り合った女性に5300万円、ロマンス詐欺の可能性
恋愛感情を利用した大規模な詐欺事件
29日午後、兵庫県赤穂市の68歳の契約社員男性が、兵庫県警赤穂署に「詐欺にあったかもしれない」と届け出た。男性は、交流サイト(SNS)で知り合った女性から投資を勧められ、約5300万円を振り込んだという。県警赤穂署は、恋愛感情を利用して金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の手口とみて、現在、詳細な捜査を進めている。
事件の経緯
男性は7月6日、インスタグラムで30代と名乗る女性と知り合い、その後、LINE(ライン)で頻繁にやりとりを始めた。電話での会話も重ね、女性が男性の体調を気遣う言葉をかけてくれたことから、男性は徐々に好意を抱くようになった。女性は「ワインを買ったらオークションで売ってあげる」といった投資の話を男性に持ちかけ、男性はその提案に説得された。
金銭の振り込み
7月26日から9月27日の間に、男性は5回にわたり、女性からワインの購入を勧められ、赤穂市と姫路市内の金融機関から複数回、女性が指定した口座に現金を送金した。総額は約5300万円に上る。
事件の発覚
9月28日、男性は女性と会う約束で東京都に向かったが、待ち合わせ場所で女性と連絡が取れなくなった。不安に思った男性は、兵庫県警赤穂署に相談に訪れ、詐欺の可能性が浮上した。
警察の対応
県警赤穂署は、この事件が恋愛感情を利用して金銭をだまし取る「ロマンス詐欺」の手口であるとみて、被害の全容解明に努めている。また、同様の被害を防ぐため、SNSでの出会いや投資の勧誘には十分な注意を払うよう、市民に呼びかけている。
ロマンス詐欺の特徴
ロマンス詐欺は、SNSや出会い系サイトを通じて被害者と接触し、恋愛感情を装って信頼関係を築いた後、金銭的な要求をする手口が一般的である。被害に遭わないためには、相手の言葉に安易に説得されず、不審な点があればすぐに警察や関連機関に相談することが重要だ。
この事件は、高齢者を中心に多発しているロマンス詐欺の典型的な例であり、社会的な警戒が必要である。県警は、今後も同様の詐欺行為の防止に全力で取り組む方針だ。