明大・宗山塁、慶大戦で3点本塁打!ドラフト目玉候補の活躍とその背景
慶大対明大 5回裏明大2死一、三塁、宗山は右越えに3点本塁打を放つ
29日、神宮球場で行われた東京6大学野球の慶大対明大の試合で、明大の宗山塁内野手(4年=広陵)が5回裏、2死一、三塁の場面で右越えに3点本塁打を放ち、チームの勝利に大きく貢献した。この試合は明大が9安打8得点で慶大を圧倒し、1勝1分けとした。
宗山塁の活躍
宗山は今秋のドラフト目玉候補として注目を集めている。この日、11球団のスカウト陣がスタンドから熱視線を送る中、リーグ通算10本目の本塁打を放った。この本塁打は、21日の東大戦以来のもので、宗山の勢いを示すものとなった。
試合後、宗山は意外な祝福を受けた。チームメートから「サイレントトリートメント」を受け、ベンチでバンザイをしたという。「初めてだったので、楽しかったです」と宗山は笑顔で振り返った。
技ありの1本
宗山の本塁打は、技ありの一打だった。2打席目で右翼ポール際へファウルを放ったが、「スイングが体から少し離れていた。アジャストの仕方を少し調整しました」と語る。次の打席で微調整を施し、フルカウントからの内角高めチェンジアップをフルスイング。春季リーグ以降、身に付けた力強さをバットに伝えて右翼スタンドへ運んだ。「いいスイングになった」と納得の表情で振り返った。
準備力の重要性
宗山の準備力は中学時代に学んだものだ。所属していた高陽スカイバンズの監督で、巨人二岡智宏ヘッドコーチの兄・聡監督(51)は「うちは全て準備は選手がやる。人が嫌がることをやらないと出場機会は減る、と教えてきました」と話す。宗山は率先して重い荷物を運び、グラウンド整備をするなど、あたり前のことを徹底することで周りを見る目を養った。「当時から宗山のスゴイところは間違いなく『判断力』。守備では打球の判断。打撃では今どんな打球が必要か」と聡監督は語る。周りや自分を見つめ、プレーに生かし、自分自身を磨いた。
リーグ通算100安打達成
28日の慶大戦では、宗山はリーグ通算100安打を達成。その後も安打を重ね、この日の本塁打で103安打へ数字を伸ばした。ラストシーズンを迎え、宗山の勢いは止まらない。
スカウトからの評価
宗山の活躍はスカウト陣からも高い評価を受けている。
- 日本ハム栗山英樹CBO:「ホームランが目立ちますが、守備、打撃と準備の仕方がプレーから感じられて弱点がない。目に見えないところの動きが抜群。」
- 広島苑田スカウト統括部長:「力強さが出てきた。体は柔らかいし。小さい体でもボールを運べる。引っ張っても力がグッと入る。ほれぼれする選手だよ。」
- DeNA八馬アマスカウトディレクター:「無駄な動きがなく目線のブレもない。トップが決まり軸がしっかり回るから、誤差が少ない。秋は振る力が強くなり、ケガの間で進化しているのはさすが。」
宗山塁の活躍は、今後のドラフトでも大きな注目を集めそうだ。【保坂淑子】