大谷翔平と愛犬デコピン、ドジャース初優勝のシャンパンファイトで主役に
ドジャースの大谷翔平、初優勝でシャンパンファイト
ドジャースの大谷翔平投手(30)がメジャー7年目で初めての地区優勝を経験した。26日(日本時間27日)、本拠地ロサンゼルスでのパドレス戦で「1番・DH」で先発出場し、7回に勝ち越しの右前適時打を放ち、チームのナ・リーグ西地区3連覇に貢献した。この勝利により、ドジャースは世界一奪回を目指すポストシーズンに進出。大谷の活躍に期待が高まる中、シャンパンファイトの主役は意外にも愛犬デコピンだった。
プレーオフへの意気込み
地区優勝を決めた前夜のパドレス戦で好投したドジャースの先発ウォーカー・ビューラーは、プレーオフへの意気込みを語った。「プレーオフの試合は大きく、速く、多くのことが誇張される。今年は、去年やこれまでと比べて、シーズン終盤になってもかなりの激戦を繰り広げている。それはある意味、違う波をもたらしてくれるんじゃないかな」と、ビューラーは笑顔で語った。
ビューラーはチームの生え抜きで、自分に厳しい性格の持ち主。負け試合は誰よりも自分を責めるため、「性格的にプレーオフは向いていない」と自嘲的に語る。しかし、右ヒジ手術のリハビリで離脱していた2年を除いて2018年からドジャースのポストシーズンを経験してきた彼は、今年の戦況が追い風になると感じている。「早く地区優勝すると、どこか無意識のうちに惰性でプレーしているところがあって、プレーオフでいきなりスイッチオンな状態にするのは難しい。例えば2021年は地区優勝しなかったけど、シーズン最後まで戦って、ワイルドカード、地区シリーズと勝ち抜けた。今年はアクセルを緩める余裕がなかった分、勢いがあり、ポジティブに速度を上げていけるんじゃないかな」と、ビューラーは語った。
先発ローテーションの課題
ドジャースの今年の特徴として、先発ローテーションの不安が挙げられる。ドジャース番記者らに聞くと、「先発投手に対して疑問がいくつもある点では去年と少し似ている」(米スポーツサイト「アスレチック」のファビアン・アルダーヤ記者)と口々に返ってきた。
取材歴30年以上のオレンジカウンティー・レジスター紙ビル・プランケット記者は、「チームは去年と同じに見える。フラーティがいるけど、残りの先発投手(山本由伸やビューラー)の健康状態を見定めることが大事。昨年は故障中のカーショーやミラーを無理やり出して、こっぴどくやられた。プレーオフの第1ラウンドであのような起用は二度としたくないだろう」と、先発ローテーションの重要性を強調した。
大谷翔平の存在
そんな中、「ショウヘイ」と言ったのは、ロサンゼルス・タイムズ紙のジャック・ハリス記者。「今年のチームも、過去数年とそう変わらない。選手層の厚いブルペン、先発ローテーションに対する疑問、10月に打ってほしい(でも打てない)スター揃いの打線。今年、ドジャースが願うのは、ベッツとフリーマンが去年よりポストシーズンで打ち、そこに大谷が加わること。違いとなる鍵は、そこだと思う。これほどの打線が去年のように苦戦するとは考えにくい」と、大谷の存在がチームの鍵になると語った。
MLB公式サイトのフアン・トリビオ記者も、「大谷は世界一の選手で、チームに大きく貢献している。3か月前は、山本、グラスノー、カーショー、ストーンなど、やっとドジャースも先発が揃ったと思ったのに(全員ケガ)、戻ってきた山本もまだ様子見。結局昨年と似たようなチーム。彼らは最初のラウンドで負けたから、それはあまり良いことではない。だけどそんな似た中で、大谷がいるのが違う。彼が1か月だけでもホットになったら、ドジャースをワールドシリーズに導ける。そこにベッツとフリーマンが力を発揮できれば、相手は圧倒され、勝ちにつながると思うんだ」と、大谷の重要性を強調した。
シャンパンファイトの主役
メジャー7年目の秋、9月にこんなに笑う大谷を初めて見ている。初のシャンパンファイトで泡まみれになった大谷が向かったのはグラウンド。そこには真美子夫人(27)と愛犬デコピンが待っていた。スポーツネットLAは一部始終をライブ中継した。「デコく~ん」と話しかけて近づくと「写真撮る?」と優しく抱き上げた。シャンパンで濡れているのが気になったようで「めっちゃ臭くなるかも」。真美子夫人は「いいよ」と返答していた。その後、真美子夫人がスマホで大谷、デコピンとの3ショットを自撮りしようとしたが、デコピンが視線を向けないため、悪戦苦闘。2人で苦笑する場面も見られた。
その動画をMLB公式X(旧ツイッター)が「この自撮りが投稿されるまで、私たちは辛抱強く待ちます」と題してアップしたところ、2時間で約200万回再生された。その後、16時間で830万回に達している。また同Xはドジャースの西地区優勝を祝福する画像を投稿。大谷、ベッツ、フリーマン、T・ヘルナンデスに加え、デコピンも登場。約180万回閲覧され、「デコピンがMVP」「野球で最高のチーム」などと書き込まれていた。
結論
ドジャースの大谷翔平は、メジャー7年目で初めての地区優勝を経験し、その活躍に期待が高まっている。プレーオフでは、先発ローテーションの不安が指摘される中、大谷の存在がチームの鍵となる。シャンパンファイトの主役は意外にも愛犬デコピンだったが、その様子は多くのファンを楽しませ、チームの雰囲気をより明るくした。ドジャースは、大谷を中心に、世界一奪回を目指して戦い続ける。