大谷翔平の抜けた穴、エンゼルスが埋められず球団ワーストの99敗

大谷翔平の抜けた穴、エンゼルスが埋められず球団ワーストの99敗

大谷翔平投手は今季、54本塁打、130打点を記録し、ナ・リーグ2冠を獲得。ドジャースの移籍1年目からナ・リーグ西地区優勝に大きく貢献し、メジャー7年目にして自身初のプレーオフ進出を果たした。一方、昨季までの古巣・エンゼルスは99敗で地区最下位に沈んだ。昨季と比べて勝利数は10減少し、大谷が離脱した穴を埋めることができなかった。

2018年に大谷が入団してから6年間、エンゼルスは負け越しを続けていた。昨季2022年は14年以来のプレーオフ進出を目指して補強を敢行したが、後半に失速し、73勝89敗、勝率.451で地区4位に終わった。大谷が抜けた今季は若手が奮闘したものの、トラウトやレンドンらが長期離脱。球団ワーストを更新する99敗、勝率.389で地区4位に6ゲーム差をつけられる最下位に沈んだ。63勝は昨季と比べて10勝少ない。

大谷は昨季、米データサイト「ベースボール・リファレンス」が算出するセイバーメトリクスの指標「WAR」で、メジャートップの9.9を記録。これは控えレベルの選手の出場時と比較してどれだけチームの勝利を増やしたかを表す指標で、大谷は約10勝分をチームにもたらした。今季のエンゼルスでは、ウィリー・カルフーン外野手が61試合でDHとして出場し、WARは-0.2だった。チーム全体でもDHのWARは-0.4で、大谷が昨季DHで記録した6.0から大きく下回った。また、大谷は昨季投手としてもWAR3.9をマーク。今季のエンゼルス先発陣ではタイラー・アンダーソン投手が3.1、ホセ・ソリアーノ投手が2.1という数字を残したが、他は全員が1.0を下回った。

もちろん大谷以外にもロスターに変化はあったが、10勝分の貢献度をもたらしていたMVPが離脱した穴はエンゼルスにとってあまりに大きかった。10年連続でプレーオフから遠ざかっているのは現在MLBで最長。悲しい現実から巻き返すことはできるだろうか。