「MLB版関ヶ原の戦い」大谷翔平とリンドアのMVP争い、ニューヨークメディアが熱く論争
ドジャースの大谷翔平投手(30)が再びナ・リーグMVPの最有力候補となっている。今季、大谷は54本塁打、130打点でリーグ2冠に輝き、さらに史上初めて「54本塁打―59盗塁」を達成。日本選手として初めてトリプルスリー(打率3割、30本塁打、30盗塁)も達成し、チームを地区優勝とポストシーズン進出に導いた。大谷の成績は圧倒的で、多くの米メディアは3度目のMVP受賞が確実と見ている。
しかし、メッツのフランシスコ・リンドア内野手(30)をMVP候補として推す声も強まっている。特にニューヨークを中心に、リンドアの活躍を称える声が高まっている。リンドアは9月30日(日本時間10月1日)のダブルヘッダー第1試合で、6-7と1点ビハインドの9回に逆転2ランを放ち、チームをポストシーズン進出に導いた。さらに、地区シリーズ第3戦では8回にダメ押し適時二塁打、第4戦では6回一死満塁から逆転のグランドスラムを放ち、チームを9年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出に導いた。
これらの活躍により、ニューヨークの地元紙「デーリー・ニューズ」は「もうナ・リーグのMVPは‘ミスター・スマイル’(リンドアの愛称)をおいて他にいない」と論じている。しかし、MVPの投票はポストシーズン開幕前で締め切られており、リンドアへの1位票が増えることはない。それでも、東海岸のメディアがリンドアを推す理由は、西海岸への対抗意識があるからだ。
ニューヨーク・ポスト紙のジョン・ヘイマン記者は、リンドアのMVP獲得を阻害する要因として西海岸バイアス(偏見)を挙げている。彼は「大谷が勝つ可能性が高いのは東海岸バイアスが誰かの嫉妬深い想像力の産物だからだ」と指摘し、西海岸バイアスが存在する可能性を示唆した。また、メッツが誕生した1962年以降、西海岸の選手が33人MVPを受賞しているのに対し、メッツからは一人も受賞していないことを指摘している。
MVPの結果は11月21日(同22日)に発表される。結果とともに、東海岸メディアの反応も注目される。