「億り人」杉原杏璃の投資哲学:タワマンは買わない、月10万円の生活費と意外な倹約ライフ
杉原杏璃は、グラビアアイドルとしてのキャリアを出発点に、補正下着ブランドの実業家としても活躍している。23歳の時に株式投資を始め、30歳を過ぎて“億り人”となった。現在は不動産投資も順調で、資産形成術を伝える執筆や講演活動で多忙な日々を送っている。
16歳で芸能界入りし、19歳で上京した杉原は、オーディションやレッスンに忙殺され、仕事面で伸び悩んでいた。そこで、23歳の時にガラケーでネット証券に登録し、30万円の資金で東京ドームの株を購入したのが投資の第一歩だった。野球が大好きだった杉原は、「好きなところから買う」という方針で着実に資産を増やしていった。
株式投資を始めて5年で金融資産1000万円に到達し、29歳の時には実家に家を建てた。30歳を過ぎて“億り人”となった後、6年前に不動産投資にも乗り出した。大阪の区分マンションを約1400万円で購入し、管理会社に運営を任せることで、安定した家賃収入を得ている。杉原は、「株式投資と比べて、不動産投資はめちゃくちゃ簡単です。資産のリスク分散にも役立ちます」と語る。
投資人生は順風満帆ではなかった。株式投資を始めて3年でリーマン・ショックに見舞われ、大きな損失を被った。今年も、期待値に達しなかったIT企業の個別株で損切りを行った。杉原は、「感情が入ってしまうタイプでしたが、マイルールを決めて機械的に対応できるように考えを切り替えました」と振り返る。
杉原は、何十億円、何百億円の資産を持つ投資家と交流し、「百発百中の人はいない」ということを学んだ。「投資のプロでも損を出す失敗があります。長期の視点で1年を通してプラスの収支を目指すことが大切です」とアドバイスする。
投資を通じて、杉原は世界の経済や社会情勢を学ぶようになった。「株をやることによって、大人になっても勉強できるということはありがたいことですし、お金以外に得られる大切なものがある」と実感している。
杉原は、月約10万円程度の生活費で、倹約生活を送っている。「物欲がない」という杉原は、洋服は大好きなブランドがセールをやる時に株主優待券を使ってまとめ買いすることが多い。家賃を除けば、月の生活費は10万円ほどで済む。
杉原は、「衣食住の、衣と食には全然使っていません。物欲が全くない」と笑う。家にもあまり物を置かず、「無駄なくすっきり」した住空間が好みだ。
財テクで駆け上がった想定外の人生について、杉原は、「人生とは何があるか分からないから楽しいです。自分に向いてるなと思うことを追求していくことが大切です」と語る。
最近、著書『マンガでよくわかる資産運用1年生 億り人杉原杏璃と一緒に』を出版し、資産形成術の発信にも取り組んでいる。実業家としても、新たな事業を構想中だ。「補正下着以外の事業も考えています。体の中からきれいになれるような、何か新しい事業を生み出していきたいです」と意気込む。
また、株主優待で生活をする投資家として知られる桐谷広人さんとの出会いも、杉原の投資生活に新たな刺激を与えている。「桐谷さんは株主優待のスペシャリストで、70歳を過ぎてもガシガシ運用をされています。ああいうふうに楽しみながら、資産運用を一生続けていきたいです」と目を輝かせている。