「盟友・大瀬良大地との出会いが僕に夢を与えた」元カープ・今村猛の語る友情とライバル心
現在、広島市内でパーソナルトレージングジムを運営している今村猛さん。現役時代はタフなリリーバーとしてカープの3連覇に貢献しました。大瀬良大地とは同じ長崎県出身の同学年で、高校時代には県予選でしのぎを削りました。プロ入り後は8年間(2014年~2021年)チームメートとしてカープ投手陣を支えてきました。
高校3年生の夏、長崎県予選の準々決勝で対戦したときに初めて大瀬良の存在を知りました。県外のチームとも対戦していましたが、大瀬良の投球はシンプルに打てず、打ちづらい投手だと感じました。その試合で敗れた後、大瀬良がエースの長崎日大高が甲子園に出場しました。
高校時代には会話はなかったものの、夏の大会で負けて衝撃を受け、「プロに行かないのかな?」と思っていました。大瀬良が進んだ九州共立大はプロ野球選手がたくさん出ている大学なので、「いずれプロに進むだろう」と思っていました。高校を卒業してから、たまにメールで連絡を取り、主に野球の話をしていたと記憶しています。
2013年秋のドラフトでは、同じ1991年組の堂林翔太や庄司隼人らとドラフトを見て、「まさか大瀬良がチームメートになるなんて」と話していました。大瀬良がドラフトでカープ入りが決まった後、長崎県人会で初めて会って話をしました。面と向かって会話をしたことがなかったものの、お互い高校時代から知っていて、メールのやり取りをしていたこともあって、何だか不思議な感じでした。
チームメートになってからは、よく一緒に食事をし、他の選手よりもプライベートでも一緒にいることが多かったです。大瀬良はプロ1年目から先発として新人王を獲得し、僕は先発として結果を残せなかったので、「先発で活躍してすごいな」という目線で見ていました。普段から投げるときの意識やフォームのこと、変化球の話など、野球に関してもよく話していました。大瀬良がリリーフに回ったシーズンは、準備や考え方をよく話しましたが、僕だけでなく、中﨑翔太や他のリリーフ投手にも熱心に話を聞いていました。
最初は「真面目だな」という印象を持っていましたが、だんだんそのイメージは変わっていきました。基本的に真面目ですが、普段の大地はふわっとしていて、お茶目な面もあります。2人でいるときは、お互いに良い意味で気を遣わず、一緒にいて楽です。同じ1991年組の選手がたくさんチームにいましたが、大瀬良は同じ長崎県出身で、同じ投手だったため、同学年の選手の中でも特に特別な存在でした。周囲から「高校時代からのライバル」と取り上げられることもありましたが、僕らはあまり気にしていませんでした。