巨人・菅野智之のメジャー挑戦と岡本和真の行方:2大スターの同時流出は可能か?
巨人の菅野智之(34)が来季、メジャー移籍を目指す意向を表明した。菅野は「球団には自分の意向を伝えさせてもらい、僕自身も向こうでプレーするという気持ちでいる」と語っている。
昨季は4勝8敗に終わったが、今季は15勝3敗、防御率1.67と復活。4年ぶり4度目の最多勝利と、勝率.833で4年ぶり2度目の最高勝率のタイトルを獲得した。全盛期をほうふつとさせる好成績で、4年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。MVPの最有力候補となっている。
阿部監督は「一野球人として応援したい。とにかく日本一になって格好つけて(メジャー)行けって言いたい」と容認の姿勢を示し、吉村編成本部長も「彼の意思は尊重してあげたい」と語っている。
米球界関係者は、菅野に「2年総額3000万ドル(約45億円)から3年4500万ドル(約67億円)規模の好条件を提示する球団もありそう」と太鼓判を押している。しかし、チーム内では必ずしも歓迎ムードではないという。
同じくメジャー志向の主砲・岡本和真(28)の挑戦時期に影響を及ぼす可能性があるからだ。岡本は昨年12月の契約更改交渉の席で、複数年契約の打診を断り、あえて年俸4億2000万円の単年契約を結んだ。海外FA権を取得するのは最短で2026年だが、そこまで待つ気はなく、今オフ移籍の可能性を模索してきた。
球団首脳は、ポスティングを容認する条件として「長年のチームへの貢献度と民意が条件」と言っている。つまり、ファンが「これだけ長く貢献したのだから、米国で頑張ってこいよ」と背中を押すかどうかが重要となる。
岡本はこれまで本塁打王3度、打点王2度。今季は無冠とはいえ、全試合で4番を張り、リーグ優勝に貢献した。球団も前向きに検討するとみられていた矢先、菅野が電撃的にメジャー挑戦を表明した。
チーム関係者は、「今季15勝のエースと打撃チーム2冠の4番が同時に米国へ流出するとなると、大幅な戦力ダウンは必至。球団としても、ファンから『来年勝つ気がないのか』と思われかねない。菅野はFAだから、メジャーに行きたければ自分の意思で行ける。球団に止める術はない。でも、岡本はあくまで球団からポスティングを容認してもらう立場。『岡本よ、当初は認めるつもりだったけど、状況が変わったから、待ってくれないか?』となっても不思議ではない」と語っている。
リーグ優勝を果たした9月28日に日本テレビ系のスポーツ番組で「(岡本)和真がメジャー行っちゃうかもしれないし」と坂本に突っ込まれた岡本和。チーム内でも公然の事実とみる向きもあった主砲の今オフのメジャー移籍は、予断を許さない状況になっているようだ。
菅野は今月中に35歳を迎えるが、年齢に対する評価がシビアな米国で需要はあるのか。識者は「菅野を欲しがる球団」について、「予想契約規模」についても言及している。