《真田広之の快挙と時任三郎の静寂》盟友の道、それぞれの選択と現状
俳優の真田広之(63)が自身でプロデュースと主演を務めたハリウッドドラマ『SHOGUN 将軍』で、アメリカのエミー賞で史上最多の18部門で賞を受賞した。歴史的な快挙を成し遂げ、世界中から賞賛の声が上がる一方で、真田のかつての盟友・時任三郎(66)は沈黙を続けている。
時任と真田の絆は深い。1983年、時任はドラマ『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)で注目を集め、1988年のCM『リゲイン』の初代キャラクターに起用され、そのキャッチコピー「24時間タタカエマスカ」が大流行した。1991年、時任は33歳で元女優と結婚し、その際、女優の手塚理美と結婚したばかりの真田と共に合同で「結婚披露宴パーティー」を開催した。この披露宴には約350人が参加し、陣内孝則が司会を務め、中井貴一、千葉真一、野際陽子らも駆けつけた。当日は時任と真田が互いに歌を熱唱するなど、盛大な披露宴となった。
両者は家族ぐるみの交流を続けていたが、1997年に真田は手塚と離婚し、渡米。一方、時任は家族でニュージーランドに移住し、それぞれの道を歩むこととなった。
しかし、最近では真田の輝かしい功績の陰で、時任の俳優活動が激減しているという声が上がっている。2022年に放送された『監察医 朝顔』(フジ系)と同年末に公開された映画『Dr.コトー診察所』の出演以降、時任は表舞台に姿を見せていない。2022年の映画『Dr.コトー診察所』の舞台挨拶にも、主要キャストながら不在だった。
昨年、ドラマ『うちの弁護士は手がかかる』(フジ系)のナレーションを担当したが、出演は声のみ。受賞から1カ月が経った現在も、時任から真田へのコメントはなく、何かあったのではと心配する声が上がっている。
時任は自身のSNSで月の写真を投稿していたが、5カ月間ほど更新されていない。写真が趣味の時任は「夕景マニア」「ムーンハンター」を名乗り、美しい月が映る夜景をSNSでたびたび投稿していた。しかし、自身の写真を投稿することはなかった。40代の頃のドラマの思い出を振り返る写真とともに、「オレはだいぶ老けた」とのコメントを残している。
取材を進めると、昨年11月末に時任が約40年間務めてきた自身の個人事務所の代表取締役を息子で俳優の時任勇気(33)に譲っていたことがわかった。事務所の役員からも完全に抜けており、事務所のホームページも閉鎖されている。一線から身を引く覚悟のようにも感じられる。
勇気の名前の由来は、リゲインのCMソングで時任が歌った『勇気のしるし』だそうだ。父の愛情を受け継ぎ、現在はドラマを中心に数多くの作品に出演し、父と同じ俳優の道を突き進んでいる。
全世界に向けて異彩を放った真田、演技力に定評がある時任が一線を退くのはまだ早すぎる。