パリ五輪からロス五輪へ: 関田誠大の新たな挑戦とジェイテクトSTINGS愛知への意気込み

パリ五輪からロス五輪へ: 関田誠大の新たな挑戦とジェイテクトSTINGS愛知への意気込み

パリ五輪での戦いとロサンゼルス五輪への意気込み

関田誠大のインタビュー

パリ五輪での戦いを振り返り、日本男子バレーボール代表のセッター関田誠大(30歳/ジェイテクトSTINGS愛知)は、さらなる成長を誓った。彼のインタビュー後編では、4年後のロサンゼルス五輪についての考えを語っている。

準々決勝・イタリア戦の思い出

「これほど覚えていないものなのかと少々驚いた」と関田は語る。パリ五輪準々決勝のイタリア戦第3セットの終盤について、彼に尋ねた際の話だ。24-22まで記憶していたが、22-21の時点でワンポイントブロッカーとしてコートに入った宮浦健人(ジェイテクトSTINGS愛知)と交代し、ベンチに下がっていたため、その後の記憶が曖昧だった。

石川祐希(ペルージャ)のスパイクで連続ブレイクを奪い、24-21と一気にマッチポイントを握った瞬間、関田はコートの外から「いけるだろう」という気持ちで、「いってくれ!」と心の中で叫んでいた。1点でも取られれば、相手に追いつくチャンスを与えてしまうため、1回で決着をつけたいと思っていた。

しかし、イタリアがサイドアウトを取り、24-22となった時点で関田がコートに戻った。その後の記憶をたどり、関田は石川に託したと語ったが、実際には高橋藍(サントリーサンバーズ大阪)がトスを上げていた。関田自身も記憶が曖昧で、試合の映像を見直した後で確認した。

ロサンゼルス五輪への意気込み

試合の詳細を思い出せなかった関田だが、今後の代表活動についての質問には真剣に答えた。「挑戦は繰り返していきたい」「ロスに向けて、ですよね? 長い目で見ていこうかなとは思う」と語る。4年後のロサンゼルス五輪では34歳か35歳になるため、厳しい年齢ではあるが、パリ五輪を通じてさらなる成長を望んでいる。

「まだ、やる、やらないとはハッキリ言えないですけど、挑戦して、というのを繰り返していきたいなと思います。まずやってみて、その時の気持ちがどうか、自分自身に聞きながら、やりたいなと思います」と、関田は慎重に語る。

他の選手とも今後の話をしたという。「年齢の近い選手や、いつもいるミドルブロッカーの3人とは、そういう話はチラッとはしました。『どうすんの?』『どう考えてる?』と軽く。僕はその時の気分で話したりするので、『もうやらないよ』だの、『やる』『やるかも』だの、テキトーなこと言ってるんで当てにはならないです(笑)」。

リベロの山本智大(大阪ブルテオン)が関田を代表から呼び戻したいと話していたことを伝えると、関田は笑いながら「でもセッターはいますよ。日本にはいいセッターがいるので、大丈夫だと思います。みんな上手いと思いますよ」と答えた。

国際大会の難しさと楽しさ

国際大会ならではの難しさも認めている。「国内と国外はまた違いますね。相手が違うし、相手のデカさも違うし、責任というか、背負っているものも違うというか……やっぱり全然違うかなと思います」。しかし、パリ五輪はそれだけではなかった。

「オリンピックは、難しい。でもその分、経験できるものが大きく、得られるものもたくさんあったのかなと思いますね。結構楽しかった場面もあるので。やっぱり勝った時じゃないですか。アルゼンチン戦しか勝てなかったけど。勝つことが一つの喜びで、そこを目的としてやっているので。

普段のネーションズリーグや国内リーグとは、見ている人の多さも全然違うので、そこも楽しいというか、興奮に近いかな。今回はバレーボールがめちゃくちゃ注目されていて、会場でもテレビでもすごく応援してくれて」と、関田は語る。

パリ五輪は燃え尽きる場ではなく、次へのエネルギーを与えてくれた舞台だった。「ああいう大一番で勝つことの難しさをより学んで、そのおかげで僕はまた、上手くなりたいと思った。なかなかないんですよ、僕の中で、そういうふうに思わせてくれる大会って。

やりきったとか、あ、終わったなって、(終了後に)ちょっと“ふっ”となる大会が多いんですけど、今回に限っては、『もっと極めたい』『向上させたい』という気持ちがより強くなった大会だった。それを得られたのは大きいなと思います」。

新シーズンへの意気込み

現在、関田は視線を「日本一」へと切り替えている。SVリーグ発足元年の今季、ジェイテクトSTINGS愛知は大型補強を敢行した。オポジットの宮浦が海外リーグから復帰し、日本代表のミドルブロッカー高橋健太郎、リベロ小川智大が加入。アメリカ代表トリー・デファルコ、ブラジル代表リカルド・ルカレッリも獲得した。

「このメンバーとやれることの楽しみが大きい。モチベーションももちろんありますし、日本一を、このメンバーで獲りたいなと思っています」と、関田は胸を高鳴らせている。

「もっと極める」ために、新たな戦いの舞台へ――。