【栄光の証】デルタブルース、メルボルンC制覇の衝撃と日本馬の底力

【栄光の証】デルタブルース、メルボルンC制覇の衝撃と日本馬の底力

2006年の秋、日本の競馬関係者やファンは大きなショックを受けた。日本史上最強と評されたディープインパクトが凱旋門賞で3位に敗れた上、その後失格処分を受けたからだ。

しかし、その約1カ月後、オーストラリアから朗報が届いた。日本馬が初めてメルボルンCを制覇したのだ。しかも、デルタブルースが1着、ポップロックが2着というワンツーフィニッシュを果たした。

デルタブルースは角居厩舎所属の馬で、04年の菊花賞を制覇していた。この勝利の立役者だった前川和也助手は、現在友道厩舎で22年のダービー馬ドウデュースを担当している。前川助手は、メルボルンCを勝った後、現地でサインを求められたり、レストランの食事代が無料になったりするなど、その勝利の大きさを実感したという。

「やっぱり日本馬は強くなったんだな」と、記者も勇気をもらったのを覚えている。

デルタブルースは、岩田康誠騎手が2周目の3コーナーから仕掛けた菊花賞の勝利のように、長くスパートできる馬だった。その後、日本馬はメルボルンCで苦戦が続き、5着以内にすら入ることができていない。これにより、デルタブルースがどれだけ底力を持っていたかが分かる。

デルタブルースの訃報は、オーストラリアでも大きく報じられることだろう。