菜々緒、主演ドラマ『無能の鷹』でコメディエンヌの魅力再発見!初心を思い出させる脱力系お仕事コメディ
黒のドレッシーな服に身を包み、凛とした佇まいで取材現場に現れた菜々緒さん。世界が認めたクールビューティな雰囲気を醸し出し、質問への受け答えも落ち着いていて、かつ明瞭だった。
「芸能の仕事を始める前は、得意なことも特になく、何かに熱中したいとも思っていなかったんです。でも、この仕事を選んだ時から、流れが変わったと感じました」
2009年から本格的に芸能活動を始め、ドラマ、映画、雑誌、CMなど幅広く活躍。2012年にドラマ『主に泣いてます』で俳優としての道を歩み始め、その後『ミス・パイロット』(2013年)や『HEAT』(2015年)など、都会的で洗練されたキャラクターを演じた。また、『ふたがしら』(2015年)やNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』(2017年)では時代劇にも挑戦。『ファースト・クラス』(2014年)や『サイレーン 刑事×彼女×完全悪女』(2015年)では、悪女役で大きなインパクトを与えた。
現在、菜々緒さんが主演を務めるドラマ『無能の鷹』は、脱力系お仕事コメディだ。
「原作コミックを読んだ時、私が演じる鷹野ツメ子の雰囲気や、『デキるオーラ』が最初に見えたんです。これまでは強いキャラクターやデキる女性の役が多かったので、鷹野のビジュアルや雰囲気が私とリンクしたところはすごく嬉しいと思いました」
「菜々緒さんで実写化して欲しい」という声もあったという。菜々緒さん自身も、これは単なるお仕事コメディではないと感じた。
「主人公・鷹野ツメ子が最初から最後まで無能で成長しないところが斬新です。お仕事モノは、仕事の出来ない主人公が成長するサクセスストーリーや、プロフェッショナルが事件を解決するものが多いですが、今回は違います。令和の時代に、自分らしく生きていくことが大切だというメッセージが込められていると思います」
台本を読んだ時は不安もあった。
「原作が面白いからこそ、それを生身の人間が演じる時にテンポ感やコメディ要素の塩梅を上手くやっていかないと、原作の良さが伝わらなくなってしまうと思ったんです。クランクイン前に、鷹野が所属する営業部のメンバーでリハーサルをしたことで、地固めが出来て良かったです」
菜々緒さんは鷹野ツメ子について、自分の世界を大切にし、周りの目を気にせず生きている人物だと感じている。
「彼女は他人の目を気にせず、自分自身を楽しんで生きています。普通の人なら社会の流れに乗ろうとすることが多いですが、鷹野はそれを無視して、自分自身を楽しんで生きています。それが清々しく、原作コミックのファンが彼女に共感する理由だと思います」
立ち振る舞いや口調では、「少し明るく、笑顔で、楽しく毎日を生きている鷹野ツメ子」を意識している。
「最初はクールで飄々とした鷹野を演じようとしましたが、監督やプロデューサーから、鷹野の根底には純粋さや自由さがあり、笑顔や可愛らしさがあっても良いと提案を受けました。視聴者にとっても憎めない存在であっても良いとのことで、キャストやスタッフ一同、楽しんでもらえる作品にしたいと思っています」
これまで演じてきた悪女と比べると180度異なるキャラクターだが、菜々緒さんは「初心を思い出させられる感覚がある」と語る。
「最初に出演したドラマ『主に泣いてます』も、コミックの実写化でコメディだったんです。だから、今回のドラマは原点回帰というわけではないですが、初心を思い出させられる感覚がすごくあります」