全日本大学女子駅伝2023:シード・成績・基本・アディショナル枠の争いと0.09秒差のドラマ
10月27日に仙台市で全日本大学女子駅伝、12月30日には静岡県富士市と富士宮市で富士山女子駅伝が開催されます。現在、名城大学が全日本7連覇、富士山は6連覇中です。今年はどのようなドラマが待っているのでしょうか。
全日本大学女子駅伝に出場するためには、「シード枠」「成績枠」「基本枠」「アディショナル枠」があります。まず、前回大会で上位8位に入った大学に「シード枠」が与えられ、9~17位までのチームが加盟する地区の学連には「成績枠」が配分されます。成績枠を獲得できなかった地区に1枠ずつ配分されるのが「基本枠」です。「アディショナル枠」は、ここまでで出場権を獲得できていないチームの中で、当該年度内にマークした5000m6人の合計タイムにより出場が決まります。
シードを持っているのは名城大学(東海)、大東文化大学(関東)、立命館大学(関西)、城西大学(関東)、日本体育大学(関東)、大阪学院大学(関西)、関西大学(関西)、東北福祉大学(東北)の8校。前回大会の9位から17位までのうち、関東勢は7校、関西勢は大阪芸術大学の1校でした。
そのため、今大会のシードを除いた出場枠は、「北海道1、東北1、関東7、北信越1、東海1、関西1、中四国1、九州1」となります。東北地区では東北福祉大学が前回大会で初の入賞を果たしました。基本枠による1枠は東北予選を勝ち抜いた仙台大学が、実に37年ぶりとなる全日本への切符をつかみ取りました。兵庫大学は3年ぶり、帝京科学大学は初出場です。強豪校がひしめく関西地区は、シードを除いた出場枠が「1」ということで、9月28日に開催された関西学生女子駅伝は激戦になりました。大阪学院大学、立命館大学の両シード校に続く3位に入った兵庫大学が、3年ぶりの全日本出場を決めました。
関東では10月5日に関東大学女子駅伝が開催され、シード校の他に7校が全日本出場を決めました。2018年に創部した帝京科学大学が、悲願の初出場です。
各地区を通過できなかった大学にも、最後のチャンスがあります。5000mのシーズンベスト(今年の4月1日以降、大会申し込み前日までの最高記録)上位6人の合計タイムで上位3チームが選出される「アディショナル枠」です。年度内のベスト、つまりシーズンベストというのもポイントになってきます。昨年までどんなに良い記録を持っていても、今年度の記録が必要となります。そのため、ボーダーにいるチームは各地区の駅伝に出場しながら、記録会にもエントリーしていて、結果次第では連戦になることもあります。
ここ数年は、アディショナル枠のボーダー争いが熾烈を極めています。2年前は最後の1枠が大接戦に。ギリギリ出場権を獲得した亜細亜大学と、次点となった神戸学院大学の6人合計のタイム差は0秒49(1人あたり0秒08)。まるで短距離種目のようなタイム差で、本当に最後の最後までわからない展開となりました。そして今回は、アディショナル枠の3校目で出場権を獲得した東京農業大学と、惜しくも次点となった大阪芸術大学の合計タイム差は0秒09!1人あたりの平均にすると0.015秒差。フィニッシュ時に腕時計を止めるか止めないかで、すぐに逆転してしまうような僅差で明暗が分かれました。
今年の全日本大学女子駅伝に出場するチームは以下の通りです。
シード枠
- 名城大学(東海)
- 大東文化大学(関東)
- 立命館大学(関西)
- 城西大学(関東)
- 日本体育大学(関東)
- 大阪学院大学(関西)
- 関西大学(関西)
- 東北福祉大学(東北)
成績枠と基本枠による地区代表
- 札幌国際大学(北海道)
- 仙台大学(東北)
- 筑波大学
- 順天堂大学
- 中央大学
- 拓殖大学
- 帝京科学大学
- 玉川大学
- 東洋大学(以上関東)
- 新潟医療福祉大学(北信越)
- 中京学院大学(東海)
- 兵庫大学(関西)
- 環太平洋大学(中国四国)
- 福岡大学(九州)
アディショナル枠
- 京都産業大学(関西)
- 関西外国語大学(関西)
- 東京農業大学(関東)
ここにオープン参加の東北学連選抜を合わせた26チームが、仙台を駆け抜けます。今年も杜の都で熱い襷リレーが見られそうです。