B'z稲葉浩志、NHKオフィスの"tiny desk"で新体験 親密なライブに音楽の新たな可能性
「tiny desk concerts JAPAN」の収録がNHKのオフィスで行われ、B’zのボーカリスト、稲葉浩志(59)が初回の収録に参加した。この音楽番組は、米公共放送NPRが2008年にインターネットで始めた「tiny desk concerts」を日本版にしたもので、アーティストがオフィスの小さな机でパフォーマンスを行う親密なライブ形式が特徴だ。
日本版も同様に、幅3メートル、奥行き3.4メートルの小さな空間で行われ、NHKでは制作局内のミーティングスペースがステージとして使用された。稲葉は100人以上の職員の拍手で迎えられ、「オフィスでやるって聞いていたけど、本当にガチオフィスですね。さすがtiny desk」と笑顔でコメント。また、「さまざまな会場で演奏してきましたが、こんなスタイルは初めてで、じっくり味わいたい」と意気込みを語った。
この形式では、オフィスの狭い空間だけでなく、モニタースピーカーやステージ用の音響マイクがなく、報道用のガンマイクに向かって生声で歌唱するのが特徴だ。そのため、バンドメンバーのギター、ベース、ドラム、キーボードの音とバランスを合わせる必要があり、柴崎哲也チーフプロデューサーは「距離が15センチ、向きが15度違うだけで音の聞こえ方が変わってくる」とその難しさを説明している。
入念なリハーサルを経て本番に臨んだ稲葉は、メンバーと息の合ったパフォーマンスで「ブラックホール」「羽」などを特別アレンジで披露した。「楽器の音に合った声のボリュームを探るのが難しかったですが、本番までにはバランスをつかめて、生の音だけの環境を楽しむことができました。気持ちよかったです」と、新たな音楽体験を満喫していた。
制約があるからこそ生まれる唯一無二のサウンドに、新たな音楽の可能性を感じた。