稲葉浩志、NHK「tiny desk concerts JAPAN」で圧巻のパフォーマンス、オフィスの小さな机で新たな音楽体験
B’zの稲葉浩志、NHK「tiny desk concerts JAPAN」初回放送で圧巻のパフォーマンス
その場にいた全員が聞きほれていた。B’zの稲葉浩志(59)がNHK総合「tiny desk concerts JAPAN」初回放送(9月30日午後11時)に出演し、収録現場を取材した。
この番組は、米国発祥の「tiny desk concerts」を日本版として展開するもので、アーティストが文字通り「オフィスの小さな机」でパフォーマンスする斬新なコンセプトが話題となっている。今回の収録も本家にならい、局内で職員が働くオフィスエリアにセットを構え、その一部始終を「ライブドキュメント」として撮影した。通常、局員らの観覧を募って行われるが、この日はスタッフが「通常よりも多い」と驚く数百人の職員が集結。稲葉も温かい拍手に迎えられてスタジオ入りすると、「短い時間ですけどゆっくり楽しんでいってください。よろしくお願いします」とあいさつ。本家番組を見ていたという稲葉は、「オフィスでやるって聞いていたんですけど、ガチオフィスなんだと。さすがtiny deskですね。こんなにNHKの方の前でやるのは初めてですが、圧倒的な圧力で。さすがです」と語って笑いを誘った。
6月から8月中旬までソロツアーを終えたばかりの稲葉は、収録にも同ツアーメンバーを従えて熱唱。バンド音量が小さいため、歌声はより際立って聞こえ、1曲目から自然と手拍子が起こった。稲葉は1曲歌い終えるごとにペットボトルの水やコップに入れたお茶を飲みながら丁寧に歌唱。ハーモニカ演奏やタンバリンを持ってのパフォーマンスも披露し、「ずっといろんな形でやっていますけど、まだこんなスタイルがあったんだと思いました。またここから新たなアイデアとかが生まれてくると思いますし、かみしめて参りたいと思います」と語った。
約35分間、圧巻のステージが終わるとオフィスは大喝采に包まれた。熱気も高まり、「気がつくと汗がやばかったね」と一言。「気持ちよかったですね。音も小さくしてやるということで、いつもと違う楽しさがありました」。撮影へ向けてはNHKの別スタジオでのリハーサルをメンバーと入念に行っていたという。演奏の音量などを確認しながらアレンジを作り上げたといい、「メンバーも楽しんでいました。生の歌が聞こえる環境というのはすごく楽しいですね。今日見ていただいた方はおそらく曲を知らない方もいたと思います。受ける、受けないとかはあまり気にしていなくて、このスタイルで演奏していることが楽しくて、そこを見ていただけたら」と優しく笑った。
スタッフたちも稲葉の歌声に感嘆の声を漏らした。柴崎哲也チーフプロデューサー(CP)は「すごいなあと。感動しました。音楽の力を感じました」と振り返った。出演は「稲葉さんも番組をご存じだとお聞きして。ならばと、普通に企画書を送ってやりとりしました」。歌唱する場所は約4平方メートルほどのスペースで「普段はミーティングなどで使っている場所」だという。「オフィスで働く人や関係者がオーディエンスだということで、普通の音楽番組とかとは全く違いますよね。音楽用のマイクではなく、報道用のガンマイクで音を拾うのはtinyのアイコンにもなっています。本家では最初そのマイクしかなかったからなんです。イヤモニとかも一切ありません。なので少しバンドと距離が離れたり向きが変わったりすると聞こえ方が変わってしまう。それをリハーサルですり合わせて作り上げていっています」と制作の裏側も明かした。
今回の収録にはNPRの関係者が視察に訪れていた。柴崎CPは「『まだ手探りだね』と言われました」と明かし「世界で見られているコンテンツなので、国際放送でもそうですし、日本のアーティストを世界に紹介したい思いが強いです。今後もポテンシャルあるアーティストを紹介していきたいなと思っています」と力を込めた。