<光る君へ>渡邊圭祐が語る、道長と頼通の対話と政治への思い
NHKの大河ドラマ「光る君へ」の第38回「まぶしき闇」では、道長(柄本佑)と嫡男の頼通(渡邊圭祐)の会話シーンが視聴者の注目を集めました。この回で、道長は頼通を呼び出し、「これより俺とお前がなさねばならぬことは何だ?」と問いかけます。頼通は「帝のお力となり、朝廷の繁栄と安寧を図ることにございます」と答えますが、道長は「我らがなすことは、敦成様を次の東宮に成し奉ること。そして一刻も早くご即位いただくことだ」と冷静に述べます。
道長はさらに、「本来、お支えする者がしっかりしておれば、帝はどのような方でも構わぬ。されど、帝のお心を、いたずらに揺さぶるような輩が出てくると朝廷は混乱を来す。いかなる時も我々を信頼してくださる帝であってほしい」と考えを述べ、「それは……敦成様だ」と断言します。道長は頼通に「家の繁栄のため……ではないぞ」と言い、「なすべきは、揺るぎなき力をもって、民のためによき政を行うことだ。お前もこれからは、そのことを胸に刻んで動け」と念を押します。
渡邊圭祐さんは、自身が演じる頼通について「非常に頭のいい人物だ」と語ります。「この家に生まれた定めを理解している人間だと思っている。頭がいいからこそ、こうしなければならないことが理解でき、ビジョンとして持っている。しかし、中身が伴っていない部分もある。道長に指摘されると、若さゆえに面食らうこともある」と演じ方について説明しています。
一方、父・道長については「とてつもなく大きい存在」と印象を語ります。「視聴者の皆さんからは、人間としての道長の部分が見えると思うが、頼通から見ると、政治に生きている道長の側面しか知らない。平安の世を生きる象徴的な存在で、政治に足をつけて生きている人だ」と述べています。
頼通から見た道長は「政治に生きている人間」だと定義されます。「政治はなんのためにという本質を捉えていないのが、頼通の良さでもあり、悪さでもある。道長はその本質をしっかりと理解している人間だ」と頼通としての思いを語っています。