「怒りをメモに」巨人・阿部監督のストレス発散法が精神科医から絶賛

巨人を4年ぶりのリーグ制覇に導いた阿部慎之助監督は、試合中にベンチでメモを取る姿がよく見られる。捕手出身の監督だけに、緻密な戦略がつづられているのかと想像されるが、4月に放送された「news zero」のインタビューで阿部監督は、何を書いているか尋ねられ、

「本当は叱りたいんだけど叱りたくない時に。『あの野郎』とか『こんなこともできないのか』とか『なぜプロにいるんだ』とか」

と答えた。選手への罵詈雑言を書き殴っていたのだ。これはパワハラ防止に有効な方法であると指摘されている。

精神科医の樺沢紫苑氏によると、

「怒りや嫌なことを紙に書くことで、すっきりした気分になります。モヤモヤを整理し、ストレス発散につながります」

阿部監督は就任後、パワハラの素振りが見受けられなくなった。効果はそれだけでなく、

「感情と事実を切り離すことができます。書くことによって気付くこともあります。監督としては、後で選手にアドバイスする際、感情抜きで冷静かつ正確に事実を伝えることができるようになります」

心乱れたらすぐに書き留めるのも良い。

「人間は1日1000回以上気付きがあるといわれていますが、そのほとんどを忘れてしまいます。試合中は一球一球に思うことがあるはず。すぐに書き留めないと、5分後には忘れてしまうかもしれません」

ただし、注意点もある。

「ネガティブなことは一度書いたら忘れるべきです。あまり書きすぎると、嫌な記憶が強化されてしまいます。寝る前にその日に起きた嫌なことを思い出し、上司らの悪口を書き記すのもダメ。嫌なことをわざわざ思い出すことはない。さっさと忘れるのが一番です」

最近、阿部監督は書く回数が少なくなってきたとのこと。