「薬物はダメ。家庭も壊れた」YA-MANが語る…木村“フィリップ”ミノル逮捕の衝撃と格闘技界の未来

「薬物はダメ。家庭も壊れた」YA-MANが語る…木村“フィリップ”ミノル逮捕の衝撃と格闘技界の未来

10月5日に開催された『FIGHT CLUB.2』は、オープンフィンガーグローブを使用したキックボクシングのイベントだった。この大会の最大の注目カードは、YA-MANと木村“フィリップ”ミノルの試合だったが、大会2日前に木村が大麻取締法違反の疑いで逮捕されたため、試合は中止となった。

木村は1日に職務質問を受け、大麻リキッドや植物片と見られるものを所持していた。鑑定の結果、その一部が大麻と判明し、3日に逮捕された。この逮捕により、試合は中止となり、PPV中継も無料配信に変更された。

YA-MANは、逮捕当日にYouTubeで心境を吐露し、4日の公開計量でも取材陣の質問に答えた。彼によると、今回の損失は億単位に上る。PPVの売り上げだけでなく、試合によって得られるはずだったスポンサーフィーも失われ、練習の成果も無駄になってしまった。

木村は昨年、RIZINによるドーピング検査で陽性反応を示し、半年間の出場停止処分を受けた。今年3月にはRIZINで復帰したが、ブアカーオ・バンチャメークにKO負けを喫し、評価が下がっていた。今回の逮捕は、彼の評価を変えるチャンスを自ら捨ててしまった形となった。

YA-MANは、木村のメンタルの弱さを指摘した。「俺がカーフキック蹴るって言ったから怖がって、それで大麻に逃げたんじゃないですか。何かにすがらないと生きていけないんですよ」と述べた。木村は過去にもドーピングや奇行などで周囲を困惑させたことがある。

YA-MANは自身の経験から、薬物の危険性を強調した。「薬物はダメです。自分の家庭もそれで壊れているので」と語り、父親が薬物依存で服役していたことや、母方の祖父母が養育費を持ち逃げしたことを明かした。YA-MANは、児童養護施設や母子家庭への支援活動も行っている。

木村が謝罪の意思を見せても、YA-MANは関わりたくないという姿勢を示した。「謝罪されたところで何もないので。(謝罪に)こなくていいんじゃないですか。もう関わる気はないです」と述べた。

大会当日、YA-MANはリングに上がることなく、中継の解説を務めた。中継は無料配信となり、多くの人が気軽に視聴できた。メインイベントの代わりに、YURAvs.木村“ケルベロス”颯太の試合が行われ、YURAが逆転のKO勝利を収めた。YA-MANは、YURAとのタイトルマッチを示唆し、敗れたケルベロスに対しても評価を下げるつもりはないという姿勢を示した。

大会後の囲み取材で、YA-MANはユーモアを交えて心境を語った。「逮捕されたのを知った瞬間(減量をやめて)ラーメン食べましたよ。勾留されるから試合はないなって。それから頭を整理しようと思ってコンカフェに行って。頭は整理できたけど、今度は責任感でゲロ吐きました」と述べた。また、「(この騒動で)人間として成長できましたね。もうこんなことはねえだろって(笑)。何が起きても動じないっすよ。相手が計量オーバーしても“なんだ計量オーバーか”って」と語り、自身の成長を示した。

木村ミノルの今後については、多くのファンが格闘技界からの“永久追放”を望んでいる。しかし、格闘技界には統一組織がなく、全団体が一斉に処分を行うことは難しい。そのため、木村が他の団体で試合を行う可能性も否定できない。今回の件が格闘技界に与えたダメージは大きいが、今後の対応が注目される。