冨家ノリマサ、岩田華怜との共演で涙…自主制作映画『最後の乗客』が世界で注目

冨家ノリマサ、岩田華怜との共演で涙…自主制作映画『最後の乗客』が世界で注目

俳優の冨家ノリマサ(62)が12日、都内で行われた映画「最後の乗客」の公開記念舞台あいさつに出席した。冨家は「第二のカメ止め」と呼ばれる「侍タイムスイーパー」にも出演し、人気と実力を兼ね備えたベテラン俳優として知られている。本作では、岩田華怜とダブル主演し、タクシードライバーの遠藤みずき役を演じた。

本作の監督は、宮城・仙台市出身で現在ニューヨーク在住の堀江貴。彼は制作から監督、脚本、編集までを一手に担い、2020年にクラウドファンディングを開始して制作を進めた。映画は2011年の東日本大震災から10年が経った故郷・仙台への想いを込めて制作された。

冨家は、少人数のキャストとスタッフで制作されたことを振り返り、「上映できるかどうかわからない状況だったが、良い作品を作ろうという思いで取り組んでいた」と語った。全国公開に至ったことについて、「想像もしていなかった。とてもうれしい」と満面の笑みを浮かべた。

また、冨家は周囲への感謝を述べ、「昔は埋もれていた作品も、観てくれた方が面白かったと伝えてくれることで広がっていく。人の力の凄さを本当に実感しています」と語った。

宮城での撮影について、冨家は「その場所に立って、実際に起きたことを心に刻んで演技した。嘘をつかずに真摯に取り組んだ」と心境を明かした。

ニューヨークに演技留学中の岩田華怜からのビデオメッセージが放映されると、冨家は「泣けてきちゃう」と思わず涙を流した。父親という役どころで、「現場でも覚悟が感じられた。ニューヨークで頑張っているんだなと感じた」と語った。

本作は日本の平穏な地方都市を舞台に、深夜のタクシーに偶然乗り合わせた4つの人生を描く。上映時間は55分で、仙台の1館から始まり、その後世界各国の映画祭で高い評価を受け、多くの賞を受賞。日本での凱旋全国公開となった。