「極悪女王」が話題の理由:ストリーミングサービスが地上波ドラマを凌駕する理由とは

「極悪女王」が話題の理由:ストリーミングサービスが地上波ドラマを凌駕する理由とは

Netflixのドラマ「極悪女王」が大きな話題を呼び寄せている。前作は綾野剛や豊川悦司主演の「地面師たち」、それ以前には相撲界を描いた「サンクチュアリ 圣域」など、話題のドラマは多くの場合Netflixやその他のストリーミングサービスで配信されている。さらに、ディズニープラス独占配信の「SHOGUN 将軍」はエミー賞を多数受賞し、その注目度はさらに高まっている。

日本のテレビドラマもこれらの作品に対抗しようと努力しているが、規模が大きく異なるため、簡単ではないのが実情だ。例えば、「地面師たち」でチンピラ役を演じたお笑いコンビ・マテンロウのアントニーは、「僕レベルでこんなにもらえるんだ」と驚きの声を上げていた。制作費の面でも、ストリーミングサービスのほうが優れていることが伺える。

一方、テレビドラマの現場では、制作費の削減が進んでおり、ロケ弁のクオリティが下がっているという女優のこぼれ話もあった。このような状況下で、俳優がどちらを選択するかは明白だ。

ストリーミングサービスでは、コンプライアンスなどの理由で排除されがちな俳優も積極的に起用される傾向がある。「地面師たち」のピエール瀧や、「極悪女王」の唐田えりかなどがその例だ。

「極悪女王」は1980年代の女子プロレスブームを描いた作品で、ヒールとして知られたダンプ松本の半生を追っている。ダンプ役を演じるのはピン芸人のゆりやんレトリィバァで、その演技力は当時のダンプ松本そのものと評価されている。撮影中に大ケガを負い、入院するほど本気で戦っていたという。

ダンプの宿敵はクラッシュ・ギャルズで、長与千種役には唐田えりか、ライオネス飛鳥役には剛力彩芽が抜擢された。最初はどのような演技をするのか不安だったが、吹き替えなしで挑んだ試合の迫力と真剣さには驚かされる。唐田えりかの才能は東出昌大との不倫騒動で一時的に影を潜めたが、この作品で再び輝きを放っている。

1984年に放送された「輝きたいの」は、女子プロレスの世界を舞台にしたテレビドラマで、山田太一の脚本と今井美樹主演という豪華キャストが注目を集めた。当時の全日女子レスラーの多くも出演しており、女子プロレスの人気と魅力を再確認させた作品となった。

現在の秋ドラマも始まっているが、昔のテレビドラマの輝きは今でも鮮明に覚えている。