唐田えりか、『極悪女王』で長与千種役に挑む 増量、丸坊主、プロレス技の裏側
Netflixシリーズ『極悪女王』で伝説の女子プロレスラー・長与千種役を演じた唐田えりかが、撮影の裏側を語った。この作品は1980年代にカリスマ的人気を博したダンプ松本の物語で、ゆりやんレトリィバァがダンプ松本、唐田えりかが長与千種、剛力彩芽がライオネス飛鳥を演じている。キャストたちは本格的な肉体改造と長期間のプロレス練習を行い、プロレスシーンをほぼ自ら演じ、その再現度の高さが称賛されている。
唐田にとって、長与千種役はプロレス以外にも多くの挑戦があった。特にダンスと歌は苦手だったが、約1か月前からプロのダンサーである水野絵梨奈に特訓を受けた。長与千種の踊りの特徴を捉えてアドバイスを受け、剛力彩芽と一緒に練習を重ねた。また、長与千種のセリフは全編長崎弁で、方言指導の先生と練習を重ねた。
役作りの一環として、唐田は体を大きくするために増量に取り組んだ。栄養管理士の指導のもと、朝起きて食べ、また寝て、という生活を続け、「お腹がすいた」という感覚がほとんどなかったという。特に肩や首周り、二の腕を重点的に鍛え、よりたくましい見た目を実現した。
プロレス技の中でも、特に難易度が高かった「ニールキック」。撮影前に代役を使うことを提案されたが、唐田は「絶対に自分でやる」と決意し、練習を重ねた。撮影の段階で「危険だからやめよう」と言われても、涙ながらに「やります!」と強く訴えた。この経験を通じて、長与千種という役に自然とリンクすることができたと振り返る。
「敗者髪切りデスマッチ」の撮影前、唐田は「本当に髪がなくなるんだ」と怖さを実感した。しかし、監督や事務所の社長、鈴木おさむ氏らと握手、拳を突き合わせることでパワーを注入し、覚悟を決めた。試合の撮影は臨場感あふれるバトルシーンとなり、唐田は本気で挑んだ1回きりのシーンを実現した。
撮影後、唐田はウィッグ生活が最もつらかったと振り返る。ウィッグは暑く、自分の髪ではないため触れるたびに不快感があった。約10か月ぶりにウィッグを外した時の解放感は忘れられないものだった。一方で、派手な色のウィッグやロングのウィッグなど、ウィッグ生活を楽しむ一面もあった。
唐田は撮影期間中、長与千種の言葉をメモに残していた。特に「リングの上では常に強くいたかった」という言葉に共鳴し、自身も「リングの上では強くなりたい、強くなれる」と思っていた。撮影後、長与本人から「唐田が長与千種を演じてくれてよかった」という言葉をもらった時には、本当にうれしかったと語った。