「ほんま」の漢字表記「本間」に批判も…専門家は「どっちでもえんやん」

「ほんま」の漢字表記「本間」に批判も…専門家は「どっちでもえんやん」

「ほんまに?」「ホンマか!」という言葉は、関西弁で「本当や」という意味を表しています。文字にすると、一般的にはひらがなやカタカナが使われますが、インターネット上では「本間」という漢字表記が見られるようになりました。この「本間」の表記に対して、一部からは「ホンマを本間って書く人ムリ」「本間と書くのやめてほしい」「見るとイライラする」などの意見が上がっています。

専門家の飯間浩明さんに話を聞くと、彼は笑いながら「どっちでもえんやん。そこは怒る必要じゃない」と述べています。彼は、「本間」の表記が江戸時代から存在し、伝統的な表記であることを説明します。1702(元禄15)年の浮世草子「元禄太平記」や、夏目漱石の1905(明治38)年の短編小説「幻影の盾」でも「本間」という表記が使用されています。また、高浜虚子など、明治から昭和の作家も「本間」を使用していると指摘します。

飯間さんは、漢字表記の「本真」という表記が、語源に基づいたものだとしながらも、それが現代の正解とは限らないと述べています。日本語には当て字が多く、「本真」と書くことが必ずしも正しいとは言えないそうです。例えば、「めちゃくちゃ」は「目茶苦茶」や「滅茶苦茶」と書いても意味が通じるため、当て字を否定すると多くの漢字表記が使えないようになる可能性があります。

メディアやネットでの議論について、飯間さんは次のように述べています。「突然、これは間違い、こっちが正しいというルールが現れ、拡散される。そのまま使われていたことが批判されるのは息苦しい」との見解を示しています。また、「本間」か「本真」かという表記の違いは、関西弁のしゃべり言葉を漢字でどう書くかという無理があると指摘します。

方言の表記に関しては、文部科学省や文化庁、国語辞典が「正解」を強いることはできず、これまで使われてきた表記を尊重することが大切だと強調します。

実際に「本間」をどう使っているか詢ねた人々の声によると、兵庫県神戸市出身の28歳の女性は、中高生時代に友人とのLINEで「本間」を使っていましたが、徐々に違和感を感じ、大人になってからはひらがなを使うようになったそうです。大阪在住の会社員女性は、「ほんまに」をひらがなで使っている方が好きだと話しています。

また、お笑いコンビ「見取り図」の盛山晋太郎さんは、「本間」という漢字表記を使う人を苦手だと公言しています。一方、SNSでは最近「ほんmoney」という表現も若者の間で広まっています。