TikTok脳の恐怖:子どもの脳を変えるSNSの影響
「TikTok脳」が子どもの脳に与える影響を考えると、親御さんは要注意! TikTokなどのショート動画やリールがもたらす影響をアメリカで不安視する声が上がっている。特に、子どもの注意力や脳機能への影響が懸念される。
ドーパミンの影響が原因 TikTokを見ていると、短時間で次々と変わる面白い動画に引き込まれるが、これは脳内の報酬系が強く働いているからである。ショート動画を次々と見ることで、脳内で「ドーパミン」と呼ばれる神経伝達物質が分泌される。ドーパミンは「快感」を感じさせる物質で、報酬が期待されるときに放出される。
子どもの注意力が危険にさらされる理由 若い世代が特に影響を受けやすい理由として、脳の発達過程が挙げられる。注意力を持続させるためには「指向性注意」と呼ばれる機能が必要であり、これは脳の「前頭前野」が担当している。「前頭前野」は、意思決定や衝動抑制を司る部分だが、完全に発達するのは25歳頃と言われている。つまり、子どもやティーンエイジャーの脳は、まだ注意力を持続させるのが難しい状態である。
気をつけるべき6つのサイン ソーシャルメディアの過度な利用によって、子どもにどのようなサインが現れるのかを見極めることは重要だ。以下のサインに注意しよう。
集中力の低下 学校の授業や読書、宿題などに集中する時間が短くなり、すぐに気が散ってしまう。 イライラしやすい…スクリーンタイムが制限されると、過剰に怒ったり、ストレスを感じたりするようになる。 睡眠の質の低下 寝る前にスマートフォンを手放せず、睡眠が浅くなり、翌朝に疲れを感じることが増える。 リアルな対話の減少…家族や友達との会話が少なくなり、常にスマートフォンをチェックするようになる。 即時の報酬を求める行動 忍耐力が低下し、結果をすぐに得ようとする傾向が強くなる。例えば、長期的な目標よりも、短期的な報酬に飛びつくことが多くなる。 スクリーンタイムの自己管理ができない 制限された時間以上にデバイスを使用し、気づいたら数時間が経っていることが頻繁に起こる。
ソーシャルメディア企業の対策 若年層の利用を制限しようとする企業の動きも一部で見られる。TikTokは、13歳から15歳のユーザーに対して、午後9時以降にプッシュ通知を送らないようにしている。また、定期的なスクロールの中断を促す動画を配信している。一方、YouTubeは60秒以内の短い動画を投稿できる「YouTubeショート」という機能を提供しているが、Googleは18歳未満のユーザーに対し、オートプレイ機能をオフにするなどの対策を講じている。