新海誠の名作『秒速5センチメートル』が実写映画化!松村北斗主演で2025年秋公開

新海誠の名作『秒速5センチメートル』が実写映画化!松村北斗主演で2025年秋公開

実写映画『秒速5センチメートル』の制作が決定

2022年11月22日、新海誠監督の代表作『秒速5センチメートル』を原作とした実写映画の制作が発表されました。本作は新海監督の初実写化作品となり、主演はSixTONESの松村北斗が務めます。松村にとって初の単独主演映画となります。映画は約2時間の長編として制作され、2025年秋の公開が予定されています。

新海誠監督の経歴と『秒速5センチメートル』の背景

新海誠監督は、『君の名は。』(興行収入250.3億円)、『天気の子』(興行収入141.9億円)、『すずめの戸締まり』(興行収入149.4億円)の3作品で累計興行収入540億円を超える記録的な大ヒットを生み出してきました。『秒速5センチメートル』は、新海監督の3作目の商業公開作品で、2007年に公開されました。映像美、音楽、特徴的なセリフで編まれた詩的な世界観は、新海ワールドの原点と呼ばれ、公開から17年以上たった今も日本のみならず世界中で愛されています。

物語の概要

物語の主人公は遠野貴樹(とおの・たかき)。小学生の頃に出会った転校生・篠原明里(しのはら・あかり)と心を通わせた瑞々しい日々、小学校の卒業と同時に離ればなれになり種子島で過ごした高校生活、東京でシステムエンジニアとして働きながら漠然とした閉塞感と焦燥感をかかえ過ごす30才を手前にした青年期の、18年間にわたる人生の旅を描きます。原作アニメーションは主人公の小中学生時代、高校生時代、会社員時代を3つの短編の連作形式で描いた全63分の作品で、実写映画は新海監督との意見交換などを経てつくられた脚本をもとに、約2時間の長編映画として制作されます。

主演・松村北斗

松村北斗は、2021~2022年にかけて放送されたNHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」で注目を集め、岩井俊二監督『キリエのうた』、三宅唱監督『夜明けのすべて』に出演。2025年2月には脚本・坂元裕二氏、監督・塚原あゆ子氏の『1ST KISS ファーストキス』で松たか子と共演する映画の公開が控えています。松村は、名だたるクリエイターから出演を請われる実力派俳優として注目を集めています。本作は彼にとって初の単独主演映画となります。

監督・奥山由之

実写映画の監督を務めるのは、奥山由之氏。映像監督・写真家として若くして国内外から高い評価を得ており、「ポカリスエット」のコマーシャル映像や、米津玄師『感電』『KICK BACK』、星野源『創造』のミュージックビデオを監督。また、オムニバス長編映画『アット・ザ・ベンチ』(11月15日公開予定)には広瀬すず、仲野太賀、森七菜、草彅剛、神木隆之介らが集結するなど、今最も注目を集めているクリエイターです。奥山監督は33歳で、新海監督が33歳の頃に『秒速5センチメートル』を制作していたことに触れ、「ただの数字とはいえ、大切な巡り合わせを感じております」と語っています。彼は「今しか作れないもの」にしたいと意気込んでおり、自らの中に残る「センチメンタル」をこの作品に全て置いていくつもりであると述べています。本作は奥山にとって初の大型長編映画監督作となります。

脚本・鈴木史子

脚本は鈴木史子氏が担当します。映画『愛に乱暴』(森ガキ侑大監督)、『BISHU~世界でいちばん優しい服~』(西川達郎監督)など、映画やドラマの脚本を務めてきた鈴木氏は、「どの地点でこの作品と出会ったかによって違う切実さを感じる深遠な原作を前に、喜びと緊張を持って向き合わせていただきました」と語っています。

新海誠監督のコメント

新海誠監督は、「私が二十年近く前に監督したアニメーション映画『秒速5センチメートル』は、とても未熟で未完成な作品でした。しかしその未完成さ故に、今でも長く愛し続けてもらえている作品でもあります。初期衝動──未知への憧れと畏れだけをただぶつけたあのような映画は、今の自分には決して作れないでしょうし、再現も出来ません。ですから、奥山監督をはじめとした若く熱心なチームがふたたび『秒速5センチメートル』に向き合ってくれていることに、私はとても興奮しています。最も信頼する俳優である松村北斗くんに主演をつとめてもらえることにも、人生の不思議さを感じます。どうか、皆さんの今でしか作れない映画にしてください。誰よりも完成を心待ちに、応援しています」とコメントしています。

主演・松村北斗のコメント

松村北斗は、「僕自身、何度も見返してきた作品だからこそ、重責を日々感じています。この原作はたくさんの方の人生に深い影響を与えてきました。ファンの皆さんはそれぞれの解釈と世界を持っていて、僕もその一人です。そんな作品の実写化に未熟な僕が参加するのかと一歩踏み出せないでいました。しかし、奥山監督をはじめとする製作陣の原作への憧れと愛。そして、新海さんから言っていただいた『北斗くんで見たいですね。』というお言葉がこのチームで挑戦する理由をくれました。『秒速5センチメートル』に影響を受けて憧れてきた者が集まったチームで作る今回の作品。原作チーム、ファンの方への敬意を胸に挑ませていただきます」と述べています。

監督・奥山由之のコメント

奥山由之監督は、「新海誠さんが当時33歳の時に紡ぎ上げていた物語を、いま33歳の僕が撮らせて頂くことに、ただの数字とはいえ、大切な巡り合わせを感じております。今しか作れないものがあるということ、いずれは忘れてしまう眼差しがあるということに気付かされながら『秒速5センチメートル』と向き合っている日々です。どことない喪失感、焦燥感を抱える貴樹の背中に、温もりある手を添えるようにして、心から信頼するチームの皆さんと共に、1シーン1シーン、1秒1秒を丁寧に、切実さと誠実さをもって、真摯に撮り重ねたいと思います。僕の中に残る『センチメンタル』をこの作品に全て置いていきますので、どうかご期待ください」と語っています。

脚本・鈴木史子のコメント

鈴木史子氏は、「新海誠監督の『秒速5センチメートル』を初めて観たのは20代の頃でした。チームの中には中学生や高校生で観たという方も多く、どの地点でこの作品と出会ったかによって違う切実さを感じる深遠な原作を前に、喜びと緊張を持って向きさせられました。人と人が近づいたり離れたりする巡り合わせのことを。とても真摯な奥山監督や信頼するスタッフ、誠実なキャストの皆さんとたくさんの対話を重ね、その時間のすべてを脚本に込めました。多くの方々の”今”に届くことを願っております」と述べています。

プロデューサー・玉井宏昌のコメント

玉井宏昌プロデューサーは、「世界中で愛されている不朽の名作を実写化するという無謀な挑戦を受け入れてくださったばかりでなく、言葉を尽くしてのご助言をはじめ本プロジェクトを支えてくださっている新海誠様・コミックス・ウェーブ・フィルムの皆様に感謝申し上げます。映像監督・写真家としてフロントランナーである奥山由之監督、松村北斗さんと共演者の皆様、脚本、映像、音、デザイン、それぞれの専門領域において並外れた才能と技術、そして研ぎ澄まされた感性と美意識を持った方々が集結しています。公開までの続報も楽しみにしていただけたら幸いです」と語っています。

まとめ

『秒速5センチメートル』の実写映画化は、新海誠監督の原作を基に、若手の実力派俳優と監督が集結して挑む新たな挑戦です。2025年秋の公開を楽しみに待ちましょう。