若村麻由美と岡本圭人、能舞台で『源氏物語』を現代的に再解釈
若村麻由美の劇世界『あこがれいづる』源氏物語より
2024年11月22日から24日まで、東京・銕仙会能楽研修所で「若村麻由美の劇世界『あこがれいづる』源氏物語より」が上演されます。この公演は、若村麻由美が2011年にスタートしたプロジェクト「若村麻由美の劇世界」の一環で、これまで「原典・平家物語」「ワルツ~カミーユ・クローデルに捧ぐ~」「原文・曽根崎心中」など、様々な古典作品を現代的な視点で再解釈し、上演してきました。
作品の概要
今回の公演では、紫式部の「源氏物語」から「六条御息所」の物語に焦点を当て、アトリエ花習の笠井賢一が一人語りの作品として書き下ろし、演出を手がけます。若村麻由美とゲストの岡本圭人が出演し、それぞれ異なる役を演じます。
「憧れいづる魂 - 六条御息所」
若村麻由美は、六条御息所とその娘・秋好中宮の二役を演じます。この作品では、六条御息所が光源氏への執着に苦しむ亡霊として登場し、亡き母を慕う娘の秋好中宮の心情も描かれます。能舞台という独特の空間で、若村が二つの異なる役を一人で演じるという挑戦的な試みが行われます。
「光添へたる夕顔の花 - 光源氏」
岡本圭人は、17歳の光源氏を演じます。これは岡本にとって初の日本の古典劇、初の一人芝居、初の能舞台となります。岡本は、若村麻由美の「原文・曽根崎心中」を観劇した際、古典作品への挑戦を強く望むようになったと語っています。笠井賢一が書き下ろした「光添へたる夕顔の花 - 光源氏」では、光源氏と六条御息所の恋の哀しみの始まりが描かれます。
コメント
若村麻由美
「現代演劇の役者が古典作品に取組むことは雲の上の峰を目指す意気込みなのですが、前回の『原文・曽根崎心中』を観劇された岡本圭人さんから『僕もやりたいです!』と言われた時は驚きと共に古典に挑戦するきっかけになれたことが素直に嬉しかったです。というわけで、瑞々しい感性の圭人さんへの書き下ろし『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』が誕生します! 17歳の光源氏と24歳の六条御息所の恋の哀しみの始まり。私は六条御息所の生霊として登場します。また、『憧れいづる魂 - 六条御息所』では、この世を去った後も光源氏への執着に苦しむ六条御息所の亡霊と、亡き母を慕う娘の秋好中宮の二役を語り芝居として演じます。この『もの珍しき冒険』を能舞台で目撃していただけましたら幸いです。」
岡本圭人
「源氏物語より『光添へたる夕顔の花 - 光源氏』で光源氏を演じます、岡本圭人です。以前、若村麻由美さんの『曽根崎心中』を観劇したときに、見終わったあとで劇場の座席から離れるのが名残惜しいほど、若村さんの劇世界、そして日本の古典劇の魅力にすっかり虜になっていました。その時の経験がずっと忘れられず、いつか必ず自分も日本の古典劇に挑戦してみたい!と心から願っていました。この度、若村さんがライフワークとされている『若村麻由美の劇世界』に参加できることがとても嬉しく、光栄に思っています。日本最高峰の古典といわれ、千年前に紫式部によって書かれた『源氏物語』を演出家の笠井賢一さんが今回の公演の為に語り芝居として書き下ろしてくださっています。初の一人芝居。初の日本の古典劇。初の能舞台。しっかりと稽古を重ね、今の自分にしか出来ない光源氏をお客様にお届けします。『よりてこそ それかとも見め黄昏に ほのぼの見つる 花の夕顔』。お会いできる日を楽しみにしております。」
スタッフ
- 作・演出:笠井賢一
- 音楽:設楽俊山(吹き物) / 橘政愛(打ち物)
出演
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「対談 - 源氏物語の劇世界について」
- 若村麻由美 / 笠井賢一
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「光添へたる夕顔の花 - 光源氏」
- 岡本圭人 / 若村麻由美
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「憧れいづる魂 - 六条御息所」
- 若村麻由美
チケット情報
チケットの一般販売は2024年10月17日10:00から開始されます。学生チケットも用意されています。
まとめ
「若村麻由美の劇世界『あこがれいづる』源氏物語より」は、古典作品を現代的な視点で再解釈し、能舞台という独特の空間で上演する挑戦的な公演です。若村麻由美と岡本圭人の演技力と、笠井賢一の演出が見どころです。古典作品への新たなアプローチを楽しみに、ぜひ足を運んでみてください。