北村匠海初監督!『世界征服やめた』短編映画、2025年2月公開
北村匠海が初監督・脚本を務める短編映画『世界征服やめた』、2025年2月全国公開決定
俳優・歌手の北村匠海(DISH//)さんが、初めて短編映画の脚本・監督を務めた映画『世界征服やめた』が、2025年2月より全国で順次公開されることが決定しました。
この映画は、2011年に不慮の事故で亡くなったポエトリーラッパー・不可思議/wonderboyさんの代表的な楽曲『世界征服やめた』に強く影響を受け、北村さんがインスパイアされて脚本を書き下ろし、自らメガフォンをとった作品です。
不可思議/wonderboyの軌跡
不可思議/wonderboyさんは2009年に注目され始め、独特な言葉のセンスとパフォーマンスで多くの人々を魅了しました。2011年には詩人・谷川俊太郎さんと共演し、本人の許諾を得て『生きる』を音源化。待望の1stアルバムも発表されましたが、同年6月に24歳という若さで不慮の事故で亡くなりました。しかし、その音楽は人々に認められ、今では日本語ポエトリーリーディングの重要な存在となっています。
『世界征服やめた』のストーリー
映画『世界征服やめた』は、内向的な社会人・彼方(ひかた)が主人公です。彼方は、変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされていないのではないか…」と感じ、ふと「この世から消えたい」と思う瞬間があります。彼方の同僚である星野は、どこか飄々としていながらも、白黒をはっきりさせたがる人物。星野の選んだ決断により、彼方の人生は大きく揺れ動きます。
「死」の意味を知ることで、彼方は明日の選択は自分自身でできることを実感します。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道があることを痛感します。明日は誰にでも平等にやってくる、そのことを通じて、生きる意味を見出すヒューマンストーリーが展開されます。
北村匠海のコメント
北村匠海さんは、学生時代に絶望を感じていたと語ります。未来が光あるものに思えなかった中で、ポエトリーリーディングという音楽ジャンルに出会いました。特に不可思議/wonderboyさんの『世界征服やめた』は、彼の人生を変えた曲だと述べています。
「不可思議/wonderboyさんを知った頃には、彼はもう亡くなっていました。悲しかったんです。あなたに救われた人は今もまだたくさんいますと伝えたかった。だから映画を作りたかったというのはお門違いなのかもしれませんが、『世界征服やめた』からもらった感情をいつか映画にしたかった。20歳の頃から言い続けた結果、自分が脚本・監督をやるまでに至りました。」
社会人として生きること、生活があること、期待していた自由ではなく絶望すらも滲む大人という概念の中で、生きることの意味を問い続けます。笑うこと、ご飯が美味しいこと、友達がいること、暗闇、小さな光を掴むこと。これらの要素が、彼の脚本に織り込まれています。
「何度も書けなくなった脚本に、何度も何度もついてきてくれたスタッフさんや、キャストさん、エキストラの皆さん、全員に感謝です。」
映画『世界征服やめた』概要
- 原案:『世界征服やめた』不可思議/wonderboy
- 企画・脚本・監督:北村匠海
- 製作:イースト・フィルム
- 配給:SPOTTED PRODUCTIONS
- 公開日:2025年2月
- 公開劇場:ヒューマントラストシネマ渋谷 ほか全国順次公開
北村匠海さんの初監督作品として、『世界征服やめた』は、深い感情と人生の意味を追求する作品として注目を集めています。2025年2月の公開を楽しみに待つファンも多いことでしょう。