ASCAの壮大な音楽旅、『ASCA LIVE TOUR 2024 -VIVID-』ファイナル公演で感動の幕

ASCAの壮大な音楽旅、『ASCA LIVE TOUR 2024 -VIVID-』ファイナル公演で感動の幕

ASCA、CLUB CITTA’で「ASCA LIVE TOUR 2024 -VIVID-」ファイナル公演を開催

ASCAが9月27日、神奈川県のCLUB CITTA’でライブツアー「ASCA LIVE TOUR 2024 -VIVID-」のファイナル公演を開催した。このツアーは最新アルバム「VIVID」を携えて、大阪、福岡、愛知、北海道、神奈川の全国5カ所を巡るもので、ASCAは森本隆寛(G)と工藤寛丈(Key)とともに全19曲を披露し、表現力豊かな歌声でオーディエンスを魅了した。

別れと出会いを経て得たもの

ステージに姿を現したASCAは、「命ノ証」で勢いよくライブを開始。彼女が序盤からアクセル全開で芯のある歌声を響かせると、そのエネルギーに呼応するようにフロアにオーディエンスの熱気が広がった。「私が笑う理由は」でASCAは温かい歌声を届け、「やっと会えたねー!」と笑顔で観客に伝えた。そして、幻想的な雰囲気が漂うEDMナンバー「Maze」を経て、ASCAはアルバムに収録されている「恋愛三部作」の1曲「上海小夜曲(Shanghai Serenade)」を披露。歌謡曲テイストのメロディに乗せて、ヒルトン上海の一室で別れた恋人を思う主人公の心情を情感豊かに歌い上げた。

スタンドマイクの前に立ち、6月にリリースしたシングル「紫苑の花束を」のカップリング曲「Gift of Life」を柔らかな歌声で届けたASCA。彼女は自身で作詞したこの曲について、「今年私自身、たくさんの別れを経験して、すごく落ち込んだんですけど、別れから得られるものもあって。別れを経験することで落ち込んでしまうくらい、自分が心から大切だと思える人に出会えた……そのことこそが人生の財産だなと気付きました」と確かな口調で述べた。さらにASCAは、「私はこれまで誰かに心から愛を注ぐことが怖いなと思っていたんですけど、こうやって今年いろんな場所で歌わせてもらって、たくさんの出会いがあって、いろんな経験をさせてもらったからこそ、自分の中からあふれてくる愛をみんなに届けたいなと思いました」と述べ、恋愛三部作からそんな心情と重なるナンバー「あげる」をゆったりと披露した。

「リインカネーション」では感情剥き出しに力強い歌声を響かせ、「君が見た夢の物語」では異国情緒のあるメロディをたゆたうように紡いだ。その後、ASCAはスマートフォン向けアプリゲーム「ソードアート・オンライン ヴァリアント・ショウダウン」の主題歌「最前線」をパフォーマンスして会場に熱いコールを巻き起こしたあと、凛とした佇まいで「リンネ」を美しく歌い上げた。

恋愛三部作で紡ぎ上げたドラマチックな世界観

ピンクを基調とした衣装にチェンジしたASCAは、今年放送されたアニメ「魔法科高校の劣等生」のエンディングテーマ「紫苑の花束を」を披露。スケール感のあるEDMサウンドをバックに、透き通るようなファルセットが響き渡った。そしてASCAは恋愛三部作の最後の1曲「あなたが居ないこの世界でも」を歌唱。鍵盤の繊細な音色と憂いのある歌声によってドラマチックな世界観が生み出された。

重厚なロックナンバー「カルペディエム」を熱唱したあと、彼女は8月にリリースしたアニメ「ばいばい、アース」のオープニングテーマ「FACELESS」をエモーショナルに披露。「行こうか、川崎!」と告げるとアッパーチューン「OVERDRIVE」を投下してフロアをヒートアップさせた。ラストナンバーはアルバムのリードトラック「VIVID WORLD」。ASCAは新たなライブアンセムとなっているこの曲でシンガロングを巻き起こし、「最高だったよ、川崎」と言い残して熱気に包まれたステージをあとにした。

“未来”を歌い続けていきたい

アンコールを求める声に呼ばれて、再びステージに登場したASCAは「NO FAKE」をパフォーマンス。「こうやってライブで直接顔を合わせて歌を届けられること、当たり前じゃないって私は知ってます。みんな本当に輝いてたよ。いい顔してたよ。だからその顔を忘れずに、明日から一緒にがんばっていきましょう」と優しくオーディエンスに呼びかけた。「私からのラブレター、受け取ってください」とASCAが述べ、披露したのはテレビアニメ「魔王様、リトライ!R」のオープニングテーマで11月27日にシングルリリースされる「明日世界が終わるとしても」。ASCAは“命に変えても守り抜きたいもの”への思いをつづったこの曲を力強く歌い上げた。

「ファイナルなので、もう1曲歌ってもいいですか?」とASCAは述べ、「私は2017年に『KOE』という楽曲でデビューして。次に歌うのは、『KOE』を書いてくれた作家のSakuさんに『KOE』の続きの物語を書いてもらった曲です」と話す。ASCAは「昔は感情に蓋をするのが癖で。本当のことを話そうとすると涙が出てきたり、思ってることと逆のことを言ってしまったり、とにかく素直になれなかった」と自身の過去を振り返り、「だけど、活動していく中でいろんな人と出会って、別れや出会いを経験して、『ありのままでいいんだよ』ということをみんなに教えてもらいました。なので、私もみんなにもらった分を歌で返していきたいなと思います」と穏やかに語った。

ASCAは「まだまだなんです。今日もステージに立つ前、手も震えるし足も震えるし、そういうところは相変わらずで。ただ、たくさんの人がいる中でこうやって私に出会ってくれた、大切なみんなに歌を届けていきたい。この気持ちだけはずっとあって。私は“過去”じゃなくて、これからも“未来”を歌い続けていきたいなと思っています」と決意を述べた。そして彼女は「これからも手を取り合って、時には語り合って、みんなの生活の中にASCAの音楽があれるように、みんなの明日の活力になれるように、歌い続けていきたいなと思います」と真摯に伝えた。「私たちの輝かしい未来を願って」と述べ、ASCAが歌い始めたのは「Pieces」。彼女はありのままの姿で歌を紡いでいく思いが込められたこの曲をじっくりと歌い、笑顔でツアーを締めくくった。

なおASCAは5月に東名阪ライブツアーを開催することを発表した。チケット情報はオフィシャルサイトでアナウンスされる。

セットリスト

  1. 命ノ証
  2. 私が笑う理由は
  3. Maze
  4. 上海小夜曲(Shanghai Serenade)
  5. Gift of Life
  6. あげる
  7. リインカネーション
  8. 君が見た夢の物語
  9. 最前線
  10. リンネ
  11. 紫苑の花束を
  12. あなたが居ないこの世界でも
  13. カルペディエム
  14. FACELESS
  15. OVERDRIVE
  16. VIVID WORLD <アンコール>
  17. NO FAKE
  18. 明日世界が終わるとしても
  19. Pieces

公演情報

  • ASCA LIVE TOUR 2025(仮)
    • 2025年5月6日(火・祝)大阪府 Music Club JANUS
    • 2025年5月11日(日)愛知県 新栄シャングリラ
    • 2025年5月17日(土)東京都 Veats Shibuya