「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」開発者陣が語る:30年を超えた門の紋章戦争の再燃

「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」開発者陣が語る:30年を超えた門の紋章戦争の再燃

コナミデジタルエンタテインメント、「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」のステージイベントを開催

コナミデジタルエンタテインメントは9月28日、プレイステーション 5|4、Xbox Series X|S、Xbox One、Nintendo Switch、PC用RPG「幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~」のステージイベントを配信した。このイベントでは、開発者の面々が登壇し、当時の制作資料を交えて制作時のエピソードを語った。

「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」の概要

「幻想水滸伝 I&II HDリマスター~門の紋章戦争・デュナン統一戦争~」は、1995年にプレイステーションで発売された「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」をHDリマスター化した作品である。グラフィックやサウンドを原作を基にリマスタリングし、さらに「幻想水滸伝」から「幻想水滸伝II」へのセーブデータの引継ぎ機能も実装されている。バトルの倍速機能やUIの刷新など、現代のプレイヤーにも遊びやすい作品を目指している。

ステージイベントの詳細

ステージでは、本作のプロデューサーである内藤塁氏、IP&ゲームディレクターの崎山高博氏、ディレクターの大串達也氏、「幻想水滸伝」でキャラクターデザインを務めた河野純子氏が登壇し、制作資料を交えつつ、当時のエピソードを語った。

HDリマスターのオファーについて

崎山氏は、河野氏にHDリマスターのオファーをした際の状況について、「30年前に当時の制作者の方が作り上げた『幻想水滸伝』を、もう一度楽しみたいと期待してくださっている原作ファンの皆さまの思い出補正を上回ること、『幻想水滸伝』を知らないゲームファンに興味を持っていただくにはまず絵の力が必要だと思い、まず全ての背景をイラストで描き直しました。ただ、キャラクターをリマスターするには河野さんにお任せするしかないということで、オープニングに登場するキャラクターのイラストだけではなく、会話中に表示される130枚以上の顔グラフィックス等も全て書き下ろしていただきました」と話した。

河野氏の感想

河野氏はオファーを受け、「やっと書き直すチャンスをいただけたかもしれない」、「今回はタッチなどは基と近づけるようにしましたが、当時スケジュールの関係で直したい部分も多くなっていたので、これを機会に直せてよかったです」と語った。また、HDリマスターの際に苦労したことについては、「当時のものを超えられるのかという葛藤がありました。『令和版』として前のものも愛しつつ、今回のものも愛していただけると嬉しいです」と述べた。

TGSでの展示について

内藤氏は、TGSにて「幻想水滸伝が生まれた瞬間」をテーマに展示されている当時の開発資料について、「リマスターにあたり、『幻想水滸伝』の基礎になる部分を作るうえでも再確認したい、それを世界中にいるファンに伝えていきたい、見せたいと思い今回この展示になった」と説明した。崎山氏も、「当時の資料はデジタルなデータだけではなく、アナログの資料やイラストの原画といったものが段ボール何十箱と保管されています。今回展示するのはそのごく一部ですが、『幻想水滸伝』が生まれる瞬間を見ていただき、このタイトルが何故30年も皆さんの心を揺さぶり、語り継がれてきたのかということを感じていただきたいと思いました」と語った。

当時の制作環境について

河野氏は当時の制作環境について、「何を話しても今もコンプラ違反になるようなことが多いですが、同期が多かったので忌憚のない意見を投げ合う、喧嘩のような現場でした」。「ちょっとヘマすると『この役立たず!』と毎日言われるような現場でした(笑)」と当時を振り返った。

HDリマスターの対象者について

河野氏は、「当時遊んでいただいた方はもちろん、30年経っているので、次の世代・次の次の世代にも遊んで欲しいです」と述べた。崎山氏も、「親子で楽しんでいただくとか、お子様に布教していただき、本作の世界を広げていく礎になればと思います」と語った。

最後の言葉

最後に大串氏が、「大切な作品をリマスターとしてお届けするために、様々な検討を重ねて力を尽くしました」と、内藤氏が「HDリマスターを第一歩にしたい。できれば『次のステップ』を踏み出したいと思っているので、是非リマスターをよろしくお願いします」とステージを締めくくった。

(C)Konami Digital Entertainment

このイベントは、「幻想水滸伝 I&II HDリマスター」の魅力を再確認し、新たなファンを獲得するための重要な機会となった。開発者の熱意と、当時の制作エピソードを通じて、プレイヤーはこの作品の価値と歴史をより深く理解することができるだろう。