K-1 WORLD GPクルーザー級: リュウ・ツァー、初防衛戦でマハムード・サッタリを下し王座を守る
K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ:リュウ・ツァーが初防衛に成功
9月29日、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された「K-1 WORLD MAX 2024」において、「K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ」が行われ、王者リュウ・ツァー(中国/唐山文旅驍騎ファイトクラブ/CFP)がマハムード・サッタリ(イラン/TEAM ŌTA)を相手に初防衛戦に臨み、2-0の判定で勝利を収めた。
リュウ・ツァーの経歴
リュウ・ツァーは昨年9月に開催された「K-1 30周年記念無差別級トーナメント」で3連続KO勝ちを果たし、優勝。12月には谷川聖哉にもKO勝ちを収め、今年3月にはK-1 WORLD GPクルーザー級王者のシナ・カリミアンに挑戦。計4度のダウンを奪う圧勝で王座を獲得した。
マハムード・サッタリの経歴
一方、サッタリはKrushクルーザー級王者であり、2022年4月に開催された「K’FESTA.5」で行われたK-1無差別級トーナメントに参戦。出場8選手の中で最軽量(82.5kg)ながら優勝を果たした。昨年9月のツァーが優勝したトーナメントでは1回戦でクラウディオ・イストラテに敗れたが、その後、ツァーがカリミアンを破った際にリングに上がり、挑戦をアピール。今回のタイトル戦が実現した。
1Rの展開
1R、両者ともオーソドックスの構えで試合がスタート。サッタリが右ローを放つと、ツァーは右ハイを飛ばすが、サッタリはかわして前に出てパンチを放つ。サッタリが詰めて左ボディーを打ち込むと、ツァーは右フックで応戦。サッタリのローにツァーが打ち下ろしの右ストレートを放ち、サッタリは右カーフキックで反撃。ツァーは圧をかけて右ローからパンチを放つが、サッタリはかわして逆に右アッパーを放つ。ツァーが詰めてヒザを打ち込むと、サッタリはガード。ツァーは追ってパンチ、右ロー、左ボディーを打ち込む。サッタリの動きが鈍くなるが、サッタリは右カーフキックで反撃。ツァーは左ボディーを打ち込むと、サッタリの右ミドルにパンチを合わせる。
2Rの展開
2R、ツァーが圧をかけてローを放つ。サッタリは前蹴りを放つが、ツァーはジャブで応戦。サッタリは右カーフ、左ボディー、左インローを放つが、ツァーは受けながらも圧をかける。ツァーはヒザをボディーに打ち込むと、サッタリはミドルを放つが、ツァーは詰めて左ボディーを打ち込む。やや疲れ気味のサッタリが飛び込んで左ボディーを放つと、ツァーも強烈なボディーを打ち込む。サッタリが右フックを放つと、ツァーは右ミドル、右フックで応戦。ツァーはのっしのっしと歩いて圧をかける。体力を削られるサッタリ。
3Rの展開
3R、ツァーのパンチにサッタリが右カーフキックで反撃。ツァーは圧をかけてパンチを放つ。サッタリは前蹴り、右カーフキックで応戦。ツァーは前に出てパンチを放つが、サッタリは回ってかわして前蹴り、パンチを放つ。サッタリのインローでバランスを崩すツァー。サッタリのパンチでツァーが鼻血を出す。ツァーは右手をケガしたか、なかなか右のパンチが出ない。復活したサッタリがパンチを出し続ける。
判定と試合後のコメント
判定は30-28、29-29、30-29の2-0でツァーがサッタリを辛くも退け、王座防衛に成功した。
試合後のマイクでツァーは「今回、K-1のリングで戦えて、防衛できてうれしいです。ただ今日は十分なパフォーマンスを発揮することはできなかった。KOで倒すと宣言していたができませんでした。もっと自分が主導的に攻撃していたら結果が違っていたかもしれない。でも初めて防衛できてうれしく思う。明後日10月1日は、中国にとって国慶節という建国記念日にあたる大事な日です。祖国を代表してうれしく思う。ここで皆さんにご報告があります。師匠のウェイ・ルイ先生に第2子が生まれました。この場を借りて“おめでとう”と言わせてください。最後にK-1のリング、応援してくれた日本、中国のファンの皆さんに改めてお礼をしたいと思います。これからもぜひ応援してください。そしてサッタリ選手、会見では私たちはパフォーマンスが乱れたんですが、私はサッタリ選手が本当は紳士的であることを知っています。盛り上げようとしてパフォーマンスをしてくれたことを分かっています。とても強い選手でした。改めてお礼を申し上げます」と挨拶した。
この試合は、両者の技術と戦略が見事に交錯し、観客を魅了した。リュウ・ツァーの初防衛戦は、彼の実力と精神力を証明するものとなった。今後のK-1 WORLD GPクルーザー級の動向に注目が集まる。