K-1 WORLD GPフェザー級新王者、寺田匠が悲願の王座獲得!

K-1 WORLD GPフェザー級新王者、寺田匠が悲願の王座獲得!

K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチで寺田匠が悲願の王座獲得

9月29日、東京・国立代々木競技場第二体育館で開催された「K-1 WORLD MAX 2024」の「K-1 WORLD GPフェザー級タイトルマッチ」で、王者・軍司泰斗(K-1ジム総本部チームペガサス)と挑戦者・寺田匠(team VASILEUS)が激闘を繰り広げた。試合は延長戦にまで及び、最終的に寺田匠が3-0の判定で勝利を収め、悲願のK-1王座獲得を成し遂げた。

軍司泰斗の経歴

軍司泰斗は2021年12月に椿原龍矢を破り、K-1フェザー級王座を獲得した。2022年には「K-1フェザー級世界最強決定トーナメント」で圧倒的な強さを見せ、優勝を果たした。その後、海外の強豪相手に4連勝を重ね、今年3月にはRISEとの対抗戦でRISEフェザー級王者の門口佳佑と対戦し、延長の末に判定勝ちを収めた。軍司の右ストレートは試合を通じて効果的だった。

寺田匠の経歴

寺田匠は「格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR」にTEAM武尊の一員として出場し、これを機に九州から上京。2020年4月のKHAOSからK-1グループに参戦した。昨年11月にはイタリア・トリノで開催された「OKTAGON Torino」に参戦し、ミルコ・フルメリ(イタリア)を破り、ISKA世界スーパーフェザー級(オリエンタルルール)王座を獲得した。前戦となった7月の「K-1 WORLD MAX 2024」では次期挑戦者の最有力候補だった兼田将暉を判定で破り、試合後のマイクで軍司への挑戦をアピール。軍司も受諾し、今回のタイトル挑戦が実現した。

寺田は上京後、当時武尊が所属していたK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTに所属していたが、今年5月17日にKRESTを離れフリーに。翌18日に武尊が立ち上げたジム「team VASILEUS」への加入が発表された。その時の会見で「この中で僕だけK-1のベルトを持っていないので、まずはそこに向けて頑張っていきます」とK-1王座獲りを目標として掲げていた。

試合の経緯

1R

試合は両者がオーソドックスの構えで始まった。寺田は右カーフを蹴り、軍司は詰めて左ボディーを連打。寺田が左フックを返すが、軍司は細かいパンチを連打。寺田は左ミドル、右カーフを放ち、軍司もローから左フックを返した。寺田は左を返し、軍司は左ジャブからパンチへつなげた。寺田は右カーフ、軍司もローを返し、軍司は左ジャブを連打。寺田は左ミドル、軍司は左ボディーを連打。寺田は右カーフからパンチにつなげ、軍司はワンツーを放った。寺田のカーフで軍司の足がはれた。

2R

2R、軍司はジャブ、ロー、アッパーを放ち、寺田は右カーフを蹴った。軍司が右ハイを放ち、寺田は前に出て左ミドル。軍司はパンチを上下に打ち分け、ヒザをボディーに。寺田もすぐにパンチを打ち返し、右カーフを放った。軍司は飛びヒザから右ストレートを放ち、寺田は右カーフ。前に出て左フックを放ち、軍司は回転の速いパンチを連打。寺田は右インローから右フックを放ち、徐々にカーフを効かせた。

3R

3R、軍司は圧をかけてきたが、寺田は右カーフを蹴った。軍司も右カーフを返し、寺田は右カーフ、左ボディー。前に出る軍司に寺田は左フックを放ち、軍司は左ボディーを連打、右ストレートを放った。軍司の右ストレートが立て続けに入ったが、寺田は右カーフ、左フックを返した。軍司はパンチを合わせ、寺田は右カーフ。足を止めての打ち合いとなり、軍司は飛びヒザを放った。軍司がパンチの連打を放ち、寺田の右ハイが軍司の頭をかすめた。打ち合いの中、終了のゴングが鳴った。

延長戦

判定は30-30、30-29、29-30のドローで延長に。延長R、軍司が左ジャブ、ワンツーを放ち、寺田は左ジャブから右カーフを蹴った。軍司のパンチに寺田が左インローを合わせた際に軍司がスリップダウン。寺田の右カーフに軍司は右フックを返し、軍司が左右のフックを放った。寺田の右カーフに軍司は大きくバランスを崩し、軍司は距離を詰めてパンチ、ヒザを放った。寺田はガードを固めて右カーフ、左フック、左インカーフを放ち、軍司はワンツーを放ち足を使って回った。寺田は圧をかけてきたが手数が減った。しかし最後、寺田も息を吹き返し打ち合いの中、試合終了。

結果と反応

判定はジャッジ3者とも10-9で寺田が勝利を収めた。勝利した寺田をセコンドの武尊が笑顔で祝福し、同じくセコンドの渡辺雅和トレーナーは涙を流した。

試合後のマイクで寺田は「たくさんの応援ありがとうございました。自分は3歳から空手を始めて、そこからずっと格闘技しかしてこなくて、高校へ行けなかったり、格闘技しかできなくて、今までたくさんの人たちに迷惑をかけてきました。でもこうやってベルトを獲って形にすることができて、今まで関わってきたすべての人たちに感謝したいです。team VASILEUSに入って、僕だけベルトを持っていなくて、練習の時とか、みんな強いから気持ち的に置いていかれたらどうしようと毎日思っていました。でも、こうしてベルトを獲ることができて、team VASILEUSが最強なんだと証明できたと思います。これからもteam VASILEUS、さいきゅを目指して頑張っていくので応援よろしくお願いします」と語った。

この勝利は寺田匠にとって大きな転機となり、今後のK-1フェザー級の動向に大きな影響を与えること間違いなしである。