プロ野球ポストシーズン、菅野智之と清宮幸太郎らが繰り広げる熱戦!
巨人の菅野智之投手が14勝3敗で勝利数と勝率ともにリーグ1位を記録し、見事に復活を遂げている。昨季は4勝に終わったが、今季は防御率も1点台をキープし、春季キャンプから活躍が予見されていた。
野球評論家のお股ニキ氏は、菅野の復活の要因について次のように解説している。「過去3シーズンは防御率3点台で、34歳のシーズンを迎えるに当たって、『このままでは野球人生が終わってしまう』という覚悟があったはず。そのため、体を絞り、フォームもイチから見直した」と述べている。
菅野のフォーム変更には、久保康生巡回投手コーチとの取り組みが大きく影響している。「35~40歳で最盛期を迎えた投手をたくさん見てきた」という久保コーチとの協力により、地面反力を生かす下半身の使い方を改善。昨季途中から球威が戻り、今季はさらに精度が上がった。
今季の菅野は変化球の精度が抜群で、カーブとフォークも活用している。「特に夏以降はフォークの質が大幅に向上し、球種の偏りも改善された」とお股ニキ氏は指摘する。スライダーは左打者に対して縦変化量を増やし、スイーパーとの差別化が図れている。また、左打者のインハイに伸びるハードカッターも有効に活用している。
この調子を維持できれば、ポストシーズンでの活躍だけでなく、来季以降のさらなる飛躍も期待できる。「ファン、監督、そして本人と、誰もが認めるエース像に近づいている。まずはCSでソフトバンク相手にどれだけの投球ができるか。9月の完封劇の印象があるだけに、ソフトバンクとしては最も嫌な存在であることは間違いなく、このままの調子で結果を出せば、来季以降の沢村賞受賞、さらにはMLB移籍も現実味を帯びてくる」とお股ニキ氏は語っている。
ポストシーズンを盛り上げる選手は他にもいる。日本ハムの清宮幸太郎とフランミル・レイエスの3、4番コンビも注目だ。清宮は開幕2軍スタートだったが、7月に月間打率3割8分超を記録し、8月以降も打率3割をキープしている。「もともと持っている才能は素晴らしいのに、体形に合ったスイングができていなかった」とお股ニキ氏は指摘する。清宮は本来のスイングに戻し、打球に最後のひと伸びが加わった。
新庄監督の3年に及ぶ指導が実を結び、体重を落とし、ファーストだけでなくサードやレフトでも活躍できるようになった。レイエスは4月に低迷したが、8月に月間打率4割3厘、8本塁打、23打点で月間MVPを受賞。本塁打数はリーグ2位の23本に伸ばし、球団新記録の25試合連続安打も記録した。
「日本野球の水に慣れるまで待ってくれる姿勢が日本ハムにはある。新庄監督が低めのボール球を振らないように指導したことも奏功した」とお股ニキ氏は述べている。レイエスも横振りタイプのスイングにアジャストし、覚醒した清宮とレイエスの3、4番コンビは手強い。その前後を郡司裕也や万波中正、アリエル・マルティネスらが固める打線は12球団トップクラスの怖さがある。
まずはCSファーストステージを勝ち上がらなければならないが、ソフトバンクが待つファイナルステージにたどり着ければ、9月以降4連勝中と相性の良いみずほPayPayドームでの戦いとなる。8月以降の強さを鑑みれば、下克上の可能性も大いにある。例年以上に盛り上がるポストシーズンへ、期待が高まっている。