「NIKKE×エヴァ」コラボ:そのスケールと課題

「NIKKE×エヴァ」コラボ:そのスケールと課題

8月から9月にかけて、「NIKKE×エヴァンゲリオン」コラボレーションイベント「YOU CAN (NOT) EVADE.」が開催されました。このコラボは「勝利の女神 NIKKE」で過去最大規模のもので、イベントの内容や特徴について振り返ります。

このコラボイベントは「STORY I」「STORY II」「STORY III」の3部構成で、2023年の水着イベント「Blue Water Island」と「SEA, YOU, AGAIN」の2つのイベントと比べても、単一のイベントとしては最長のものでした。イベント期間は8月22日から9月19日までの28日間で、限定キャラクターとしてアスカ、レイ、マリの3人が排出されました。これらのキャラクターは限定ガチャの内容としても最多でした。

イベントの舞台はニケ世界にある学校で、事前に2回連続でその学校と生徒を中心としたイベントシナリオが実装されていました。これにより、エヴァコラボはさらに大規模なものとなりました。エヴァンゲリオンをモチーフにしたUIは凝っており、見た目は楽しいものでしたが、イベントシナリオは個人的には少し残念な印象を受けました。

エヴァンゲリオンが登場せず、パイロットが生身で戦う設定は無理があったと感じました。また、パイロットたちがニケと組んで使徒を模した敵と戦う展開は理解できましたが、その後の展開ではパイロットたちとニケたちがもめたり、ニケが敵を倒せないことを恐れて逃げてしまう場面があり、「古いエヴァンゲリオン」を見ているような印象を受けました。

最終的に巨大な粒子砲を作り、使徒を模した敵を迎え撃つ展開となりましたが、「エヴァのパイロットが生身で戦う必要があるのか?」という疑問が残りました。理屈はともかく、巨大な砲台で敵を迎え撃つシチュエーションを実現したかったのは理解できますが、そのためにマリの存在が不要に感じられる場面もあったのは厳しい点です。

一方、ビジュアル面では強いこだわりが感じられました。各STORYのステージセレクト画面は原作をうまく活用しており、ネルフ司令室やシンクロ率のグラフ、ネルフ本部への入口など、細かいネタが盛り込まれていました。また、3体の限定キャラクターには3種類の別衣装が用意され、アスカには「新劇場版:破」に登場したテスト用プラグスーツも存在しています。

性能面では、どのキャラクターもそれなりに高く、しかし「引くか引かないかで攻略の難易度が変わるか?」と問われるとそこまでではないバランスの良さを感じました。

コラボシナリオの後、本筋が面白いと思えなければ継続は難しいと思います。今後は上手いタイミングでコラボシナリオ→メインの更新や難易度の低下など、新規プレイヤーをうまく取り込むような施策も行われることを期待しています。

なお、コラボシナリオ以外のメイン部分や普段のイベントシナリオには不満はなく、楽しく遊ばせていただいています。今後のイベント、特に11月に待っている2周年に期待したいと思います。