AKB48のヒットメーカーが手掛ける550万円のプロ級CD制作サービス、カラオケにも収録
「わたしの歌」サービスで完成したCD
AKB48などのCD制作や選抜総選挙運営に関わってきた湯浅順司氏が代表を務める「Sizuk Entertainment」が、自分だけの楽曲をプロと同じクオリティで制作する「わたしの歌」サービスの提供を開始し、話題となっている。
基本料金は1曲550万円(税込)と高級車並みの価格設定だが、プロの作詞作曲、レコーディング、CD制作が含まれている。楽曲はメジャーアーティストと同じプレス会社で制作され、カラオケにも収録される。
「わたしの歌」の制作プロセスは以下の通り。まず、好きなジャンルやイメージなどの要望をプロの作曲家に伝え、複数の候補曲から1曲を選択。歌詞は作詞家に依頼するか、アドバイスを受けながら自作する。作詞作曲が完成した後、大手レコード会社のプロが使用するスタジオでレコーディングを行い、専門のエンジニアが音量や音程などを編集する。CDジャケットの撮影もプロのフォトグラファー、ヘアメイク、スタイリスト、デザイナーが担当。完成したCDは1000枚プレスされ、売却や配布、SNSへのアップロードも自由だ。
さらに、楽曲は「JOYSOUND」に登録され、カラオケで歌うことが可能。カラオケの画面表示には、自分の名前がアーティスト名として表示される。第1号ユーザーの粟津樹里さんの作曲者は、乃木坂46のヒット曲「ガールズルール」の作曲者である後藤康二氏(ck510)だった。
湯浅氏は、このサービスの経緯について、「祖父が2022年に亡くなった際、カラオケがとても好きな祖父だったのに、歌声を遺してあげられなかったことへの後悔がきっかけとなりました。音楽業界に生きた者として、大好きな祖父の歌声を遺しておきたかった」と語る。また、「楽曲やCDは歌手だけのものではなく、誰でも自分の楽曲を持ち、CDを持ち、カラオケで自分のオリジナルソングを歌える時代が来ることを願っています」と述べた。
550万円という高額な価格については、「プロの作曲家やスタジオ、CDプレスなどのコストが高額になるため、やむを得ない部分があります。また、配信の台頭により作曲家の印税が下がっている業界の現状を少しでも改善したいという思いも込めています」と説明した。
9月23日にサービスを開始して以来、多数のお問い合わせがあり、契約もいくつか成立しているという。湯浅氏は最後に、「このプロジェクトを通じて、少しでも多くの方々に素敵な体験と幸せな思いをしていただけたら、音楽の世界に関わる者として、とてもうれしく思います」と願っている。