【生きる力】麻倉未稀、乳がんとの7年間の共存から学んだ人生の輝きと前向きさ
歌手の麻倉未稀(64)が1日、都内で開かれた『ピンクリボンフェスティバル2024 オープニングナイト 麻倉未稀ライブ&トーク』に登場し、「諦めず輝かしい人生を送ってほしい」とガン患者に向けたメッセージを送った。
麻倉は2017年、テレビ番組で乳がんが発覚し、同年6月に左乳房全摘出・同時再建手術を受けた。術後3週間でステージ復帰を果たし、現在は地元の神奈川県藤沢市で「ピンクリボンふじさわ」を立ち上げ、乳がん検診の啓発活動や情報発信を行っている。
術後から7年が経ったが、まだ3年間の経過観察が必要だという。麻倉は「経過観察が終わっても11・12年目で再発する方もいらっしゃる。共存していかないといけないんだと私も常に思っている」と語った。
また、「共存しながらも毎日、楽しいと思うことを探しながら生きることが前向きに気持ちを向けていけるのではと思う時もあるし、一方で、泣きたい時は思いっきり泣く、笑いたい時に思いっきり笑うことが、非常に精神的にいいことなんじゃないかと思う」と自身の向き合い方を語った。
さらに、「ガンになったことが悪いと思っている方もいらっしゃる。もちろん、向き合わないといけないこともたくさんあるけれど、ガンになったことが悪いことではなく、一つ一つ、諦めることなく、皆さんの輝かしい人生を送ってほしい」とエールを贈った。
イベントでは、麻倉は名曲「HERO」やデビュー曲「ミスティ・トワイライト」などを力強く、時にはしっとりと歌い上げた。また、同じ乳がんのサバイバーであるフリーアナウンサーの河野美和氏とのトークでは、乳がん診断のきっかけや闘病中の思いなど自身の体験を語った。
囲み取材では、麻倉は現在の体調について「術後よりは体力は戻ったが、思うように動けないことも多々あります」と告白。年齢なのか副作用なのか原因は分からないとしつつ、時々記憶の喪失があると述べた。「スケジュールを間違えることも多数あって、歌への影響もちょっと出てきた」とし、そうした症状に対して「でも、すぐ切り替えないと、気持ちが落ち込んじゃいけないと思ってるので」との気持ちを保つことの大切さを語った。
会場には、日本対がん協会や麻倉未稀ピンクリボン啓発活動、乳房健康研究会、日本乳癌学会、東京都によるブースが並び、乳房を意識する生活習慣「ブレスト・アウェアネス」の啓発やがん相談ホットラインなどの紹介が行われた。
ピンクリボン月間は毎年10月に開催され、「乳がん」の早期発見を啓発するためのキャンペーンが世界的に行われる。