エイベックスと博報堂が手掛ける音声AR新サービス「SARF+」、ヒットコンテンツ創出へ
エイベックスのグループ会社であるエイベックス・アライアンス&パートナーズと博報堂は10月8日、音声ARコンテンツの企画制作からマネタイズまで一貫して運用できる新サービス「SARF+(サーフプラス)」の提供を開始すると発表した。
SARF+は、エイベックス・アライアンス&パートナーズが2021年に正式にスタートさせた音声ARアプリ「SARF(サーフ)」に、博報堂グループの営業・企画プランニング、マーケティングに関するリソースとノウハウを組み合わせたサービスである。管理画面を用意し、コンテンツ制作が簡単にできるほか、利用者の情報を分析する機能も備えている。
SARFは、GPSなどの位置情報をトリガーにしてコンテンツとひもづける仕組みで、アプリを起動した状態で対象エリアに足を踏み入れると音楽や声が聞こえてくる。すでに、「瀬戸内海国立公園」(岡山県備前市)内で砲台跡地に音声ARスポットを設置したり、福島県会津若松市で夜間の観光を楽しむためのイベントを企画する会津若松市ナイトタイムエコノミー推進協議会と連携し、昼は観光ガイド、夜は「肝試し音声」を流す音声ARスポットを設けている。
音声ARは、スマートフォンとイヤホンだけで使用でき、片耳だけイヤホンをつけたり、外の音が取り込めるようなイヤホンをつけたりすれば「歩きスマホ」にならず、安全性を確保できる。また、設置物も不要で、周囲の景観を壊さないこともメリットだ。
SARF+の第1弾として、10月に大阪で開催するライブ「LDH LIVE-EXPO 2024」と連動し、Osaka Metro駅で音声ARコンテンツ「LDH LIVE-EXPO SOUND STATION」を実施する。期間は10月11日から27日まで。なんば駅や天神橋筋六丁目駅など8つの駅に設置された音声ARスポットをSARFアプリを使って巡ると、LDHアーティストが語る「個人的LDH BEST HITの魅力」を聞くことができる。8スポットに、合計21人のアーティストの音声コンテンツを設置し、全てのコンテンツを再生すると、オリジナルデザインのスマートフォン専用壁紙がもらえる。
エイベックス・アライアンス&パートナーズの事業開発グループ ゼネラルマネージャーの内藤桂氏は、「音声ARコンテンツをさらに民主化するため、誰でも簡単にコンテンツを作って配信できるフォーマットとしてSARF+の提供を開始した。2024年は音声ARでヒットコンテンツを生み出していきたい。そのための戦術として、エイベックス・グループが持つ知的財産(IP)活用の最大化と、さまざまな領域におけるプロフェッショナルな方々とのパートナーシップの構築に力を入れて取り組んでいきたい」と今後の戦略を語った。