「29.6歳」の先発11人、世代交代の遅れが懸念されるイラン代表の現状
イラン代表は、アズムン(29)、タレミ(32)、ジャハンバフシュ(31)など、アジア屈指の強豪として知られる。彼らは精神的なタフさも光るが、コアの選手が長年固定され、世代交代のメドが立っていない。
2026年北中米W杯アジア最終予選A組で、イラン代表は2連勝し、首位と同勝ち点の2位で発進した。10月には、10日にアウェイでウズベキスタン戦(第3節)、15日に第三国(未定)でカタール戦(第4節)を戦う予定となっている。
アジア杯2023で日本代表を破ったイラン代表には、欧州の最前線で活躍する主軸選手が多数いる。エースのタレミ(32)は、ポルトガル1部でMVP1回、得点王2回を獲得し、今季からインテルに所属している。その相棒アズムン(29)は、ゼニトでのロシア1部得点王からレバークーゼンに移籍し、ローマにも所属した経験を持つ。正守護神のベイランヴァンド(32)は、70m超のロングスローで世界的に知られる。チームのキャプテンは、AZ時代のオランダ1部得点王のジャハンバフシュ(31)である。
タレミ、アズムン、ベイランヴァンド、ジャハンバフシュは、修羅場をくぐった歴戦の雄であり、彼らを中心に構成されるイラン代表は、対戦相手にとって一筋縄ではいかないタフネス集団だ。しかし、彼らがA代表のコアとなって10年近く経つ。
イラン英字紙『テヘラン・タイムズ』は、新顔の台頭が少ないことを嘆き、アルデシル・アミール・ガレノエイ監督の人選にも苦言を呈している。10月の招集でも、ジャハンバフシュは主将として選ばれたが、今夏フェイエノールトを退団してから無所属が続いている。
直近のUAE戦(9月10日)では、イラン代表の先発11人の平均年齢は29.6歳で、11人中7人が30代の選手だった。大事なUAEとのアウェイゲームで1-0と競り勝ったが、現地紙は「全員が最高のコンディションであればいいんだが…」と論評している。
最終予選A組の中でも、イラン代表は実力的には有力な突破候補と考えられる。しかし、世代交代のメドは立っていない。ジャハンバフシュを代表チームに残すかどうかを含め、現在の戦略が成功するか否かは、時が経てば明らかになるだろう。