《男気溢れる真剣さ!》人気俳優・磯村勇斗と岸井ゆきの、深夜の親睦ディナー
9月下旬の深夜2時過ぎ、肌寒さが感じられる中、都内のオシャレエリアは静寂に包まれていた。そんな中、雑居ビルから出てきた男女数名が楽しげに会話をしながら歩んでいた。その中のひとり、ベージュの半袖トレーナーとハーフパンツというラフな格好の男性は、俳優の磯村勇斗(32)だ。横を歩く小柄な女性はマスクで顔を覆い、黒いロング丈の長袖ワンピースに、米国のトラクター(農業機械)ブランド「Case IH」のキャップを合わせていた。マスク越しにも特徴的な目元が見える彼女は、女優の岸井ゆきの(32)だった。
約7時間前、磯村と岸井は都内の映画館の壇上に立っていた。この日は2人が共演する映画『若き見知らぬ者たち』(10月11日公開)の完成披露上映会だった。磯村は、母の介護をしながら亡き父の借金返済に追われる主人公の青年役を、岸井はその恋人役を演じている。フランス、韓国、香港、日本の共同制作で、海外の3つの国と地域での配給が決定している話題作だ。
舞台挨拶の後、共演者やスタッフを交えた食事会が開かれた。岸井は舞台挨拶で、恋人役の磯村とは撮影現場であまり会話をしなかったと話していた。シリアスな作品のため、気軽におしゃべりできる空気ではなかったようだ。しかし、この日の夜の食事会では2人とも役を離れて、磯村をはじめ共演者らとの会話を楽しんだという。
今年デビュー10周年を迎えた磯村。2017年にNHK朝ドラ『ひよっこ』で有村架純(31)演じるヒロインの相手役に起用されて人気や知名度が高まり、数々の話題作に出演してきた。昨年は7本もの映画に主要キャストで出演し、キネマ旬報ベスト・テン、報知映画賞などで「助演男優賞」を受賞。障害者施設で大量殺人をする介護士を演じた『月』では、日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を獲得した。
今年は地上波ドラマで抜群の存在感を見せた。1月クールの超話題作『不適切にもほどがある!』(TBS系)で、昭和のヤンキー高校生「ムッチ先輩」と令和のサラリーマン「秋津真彦」の一人二役を好演し、コメディーセンスも見せた。どんな役柄にもストイックに向き合うことで知られ、演技の幅も広い。作り手側からの評価も高く、出演オファーが殺到している。
食事会を終えて店から出てきた面々は、タクシーを捕まえてひとりずつ帰路についた。磯村は乗車せずに、最後のひとりまで丁寧に見送りを続けていた。私生活でも、ムッチ先輩のように“男気”のある一面を見せた磯村。飛ぶ鳥を落とす勢いの人気俳優は、「不適切」とは程遠い男だった。