『極悪女王』: 80年代女子プロレスブームを体当たりで再現!剛力彩芽、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりかの熱き挑戦
Netflixシリーズ『極悪女王』に出演した剛力彩芽、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか
Netflixの独占配信シリーズ『極悪女王』に出演した剛力彩芽、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりかが、それぞれの役柄について語った。本作は、1980年代の女子プロレスブームを背景に、実在のプロレスラーや出来事をもとにした物語である。主人公のダンプ松本役を演じたゆりやんレトリィバァ、クラッシュ・ギャルズの長与千種役を演じた唐田えりか、ライオネス飛鳥役を演じた剛力彩芽の3人が、文字通り体当たりで役に挑んだ。
撮影までの準備
ゆりやんレトリィバァ
「2020年の秋にオーディションがあり、撮影開始が2022年7月でした。約2年かけて準備しました。トレーナーの先生のもとで、まず筋肉をつけて、それから脂肪をつけて身体を大きくしていきました。一度減量した後だったこともあり、人生で初めて『食べるのってこんなにしんどいの!?』と思いました。食事も栄養バランスを考えてくださっていたので、オーディション前と比べて約40キロ増やして撮影に臨みました。撮影が終わってから無理なく体重を落とすことができて、今、30キロちょっと減量して、ほとんど元に戻りました。撮影までの準備でいうと、ダンプさんの本を読んだり、当時の映像を見たり、ダンプさんの曲を聴いたりして、自分とダンプさんを重ね合わせるイメージトレーニングをしていた時間がすごくいい思い出になっています。」
剛力彩芽
「私はご飯を食べることは好きなのですが、量を食べることができなくて、最初はロケ弁1個も食べきれないほどでした。でも、栄養管理士さんの指導と、スタッフの皆さんの応援や家族の支えもあって、結果的に10キロ増量しました。バランスの良い食事の大切さを、身をもって知ることができ、良い経験になったと思います。」
唐田えりか
「私も増量は大変でしたが、それ以上にプロレスのトレーニングで苦労しました。最初は体育の授業のような基礎的な練習から始まりましたが、でんぐり返しもうまくできず。剛力さんはダンスが得意なだけあって、すぐに動きを覚えられるけど、私は蹴り技一つ覚えるにも時間がかかってしまって、悔しい思いをたくさんしていました。長与さんはカリスマ性のあるレスラーだったので、その再現が一番難しかったです。」
80年代の再現度
ゆりやんレトリィバァ
「1980年代のことは生まれる前(1990年11月1日生まれ)のことなので、当然知らないのですが、『これ、実家にあったな』とか『これはおばあちゃんの家にあった』と思うものがたくさんありました。部屋の中にあるもの1つ1つが面白くて、日本中から送られてくる嫌がらせの手紙も、1枚1枚ちゃんと書いてあって、すごいなって思うことばかりでした。プロレスの試合会場に行ったこともなかったし、テレビで見ていたわけでもないけれど、タイムスリップした感じとはこういうことか、と思いました。ダンプさんや長与さんも『当時と全く一緒だ』と言って驚いていました。」
剛力彩芽
「全女(全日本女子プロレス興業)の道場やバスも当時のものとそっくりそのまんまだったらしく、長与さんが『懐かしい』と感激していました。」
唐田えりか
「衣装も全部ご本人が着ていらしたものを再現しているんです。普段着のTシャツも『Waikiki(ワイキキ)』とか『Hawaii(ハワイ)』とか書いてあるものが多くて、そういう時代だったのかなって。色合いやデザインがかわいいなと思いました。当時の服って、色鮮やかでかわいいですよね。」
役者としての成長
ゆりやんレトリィバァ
「私はインタビューされたらまぶたをひっくり返すネタがこれまでの代表作だったんですけど、『極悪女王』という新たな代表作ができました。白石和彌監督をはじめ、皆さんに出会えたこと、非常に感謝しています。特に自分にとっては、ダンプさんを演じたことで、初めて本気でなりふり構わずにぶつかっていくということができたような、自分の中の殻を突き破れた気がしたんです。それまで、自分の感情を人前で表現することに抵抗があったんですけど、それが怖くなくなったというか、感情を素直に出したいと思えるようになったことが自分にとっての大きな変化で、それが一番の“宝物”になったと思います。」
剛力彩芽
「今までやったことがないことばかりで、この作品で経験したことのすべてが宝物です。増量やトレーニングといった役づくりも初めてでしたが、スタッフの皆さんに手厚く、細かく、サポートをしていただいたことに感謝しています。全てのスタッフ、キャストが安全第一、健康第一で安心して作品づくりに集中できるように、制作環境を整えることの大切さも身にしみました。今回のようなより良い作品づくりが広がっていけば良いなと思います。」
唐田えりか
「私も2人とほとんど同じ気持ちです。この作品に参加し、出会った人たちが本当に宝物です。自分にとって大きな転機となりました。濱口竜介監督の『寝ても覚めても』の時の自分をなかなか超えられない感覚があったのですが、この作品でやっとそれを超えられた気がします。新たな代表作ができて、シンプルにうれしいです。」
視聴者へのメッセージ
ゆりやんレトリィバァ
「『極悪女王』は、当時を知っている方も、知らない方も楽しめる作品だと思います。1980年代に日本中を熱狂させた方々の物語を追体験して、感動したりハラハラしたりしてほしいです。」
剛力彩芽
「ダンプ松本さんやクラッシュ・ギャルズさんたちを見て、何かに夢中になっている人ってかっこいいなと思える作品です。夢を追いかける熱さや情熱を感じてほしいです。自分もあれだけの情熱を持って進んでいけたらいいなと思います。勇気や希望を持つきっかけになってもらえたらうれしいです。」
唐田えりか
「いろんな覚悟を持って挑んだ作品なので、もちろん世界中の皆さんに見てもらえたらうれしいですが、自分を支え続けてくださった方々にこの作品を届けられることに幸せを感じています。」
作品概要
1970年代から80年にかけて、空前の女子プロレスブームが日本中を席巻した。ジャッキー佐藤とマキ上田のビューティ・ペアや長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュ・ギャルズは、レスリングに加え、リング上で歌い踊り、国民的アイドルとなった。そして、クラッシュ・ギャルズの宿敵となったダンプ松本が、リング内外で大暴れし、日本中を敵に回して、さらなる熱狂の渦を巻き起こしていった。
ジャッキー佐藤に憧れ、女子プロレスの世界に足を踏み入れた一人の少女・松本薫は、いかにして日本史上最も有名なヒール“ダンプ松本”へと変貌したのか。半自伝的な物語を、リアルに再現された80年代の景色とともに描く。
何者でもなかった少女たちが、それぞれ夢を抱き、さまざまな代償や葛藤を抱えながら、女子プロレス界で生きる道を模索する血と涙の青春群像劇。同時に、当時の男性社会の中、強くなることで自由を手に入れようと戦う女性たちが支配者であろうとする男たちにタックルを浴びせる、痛快なエンパワードラマでもある。
Netflixシリーズ『極悪女王』は、1980年代の女子プロレスブームをリアルに再現し、当時のカルチャーを楽しむことができる作品だ。視聴者に新たな感動と勇気を与えること間違いなしの作品である。