「失望の計量失格」カシメロの井上尚弥戦への道が閉ざされる、元3階級王者の挑戦権は遠のく

「失望の計量失格」カシメロの井上尚弥戦への道が閉ざされる、元3階級王者の挑戦権は遠のく

元3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(35、フィリピン)が、プロボクシングの「TREASURE BOXING PROMOTION7」(13日、横浜武道館)の前日計量で体重超過の失態を犯した。1回目の計量では55.3キロのリミットから1キロオーバーの56.3キロで失敗。2時間の猶予後にも55.9キロで再計量にパスできなかった。

対戦相手のWBO世界バンタム級8位のサウル・サンチェス(27、米国)は100グラムアンダーの55.2キロで計量をクリア。サンチェス側の同意を得たため、試合当日の午前10時45分に再度計量を行い、58.0キロ以下であれば試合は実施される。

カシメロはスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(31、大橋)との対戦を熱望していたが、プロモーターの伊藤雅雪氏(33、元WBO世界スーパーフェザー級王者)は「ふざけんな。もう可能性ゼロですよ」と激怒。カシメロの体重管理に問題があったと指摘し、試合の実現性を否定した。

カシメロは2021年12月にもドバイで行われる予定だったWBO世界バンタム級1位ポール・バトラー(英国)との防衛戦の前日計量をウイルス性胃腸炎のため欠席し、試合は中止になった。その後、2022年4月に英国で再戦がセットされたが、ローカルコミッションが禁止しているサウナを使った減量が発覚して試合は再び中止となり、タイトルを剥奪された。

カシメロは昨年10月に元IBF世界スーパーバンタム級王者の小國以載(角海老宝石)との試合が4回負傷ドローに終わり、試合内容も不甲斐なかったため、井上の対戦候補リストから外れた。井上は12月24日にWBO&IBFの同級1位のサム・グッドマン(豪州)と対戦予定で、その次にはWBAの指名挑戦者で元WBA&IBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)が控えている。

カシメロは井上への挑戦を実現するために挑発を続けていたが、今回の失態によりその可能性は大きく揺らぐ。試合当日の計量をクリアできるかどうかが、カシメロのボクサー人生を左右する重要なポイントとなる。