7大世界戦の成功に続き、井上拓真vs中谷潤人の統一戦や那須川天心の地域タイトル統一戦が計画される…来年のビッグマッチに注目

7大世界戦の成功に続き、井上拓真vs中谷潤人の統一戦や那須川天心の地域タイトル統一戦が計画される…来年のビッグマッチに注目

日本のプロボクシング界に新たな歴史が刻まれる2日連続の7大世界戦が、13日と14日に有明アリーナで開催される。12日には第1日目の4試合の前日計量が行われ、出場8選手全員が一発でクリアした。

今回の7大世界戦の結果を受け、来年には「統一戦祭り」が計画されている。この祭りでは、ダブルやトリプルの統一戦が組まれる予定で、特に注目されるのがWBA世界バンタム級王者の井上拓真(28、大橋)とWBC世界同級王者の中谷潤人(26、M,T)の統一戦だ。また、14日にWBOアジアパシフィックバンタム級王座戦に挑む那須川天心(26、帝拳)が勝利すれば、OPBF東洋太平洋同級王者の栗原慶太(31、一力)との地域タイトル統一戦もセットされる予定だ。

13日の第1試合で先陣を切る岩田翔吉(帝拳)は、「ビッグイベントの1発目なので、しっかりと日本人の自分が勝利して、良いスタートを切れるようにしたい」と意気込んでいる。WBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟(倉敷守安)は、「コツコツしたボクシングを見せたい。自信はあります」と2度目の防衛戦に向けて笑顔を見せた。

フライ級での2階級制覇に挑戦する寺地拳四朗(BMB)は、「計量が終わった感動はなくなったけど、それくらい順調」と転級効果を語った。メインのWBA世界バンタム級タイトルマッチでは、王者の井上拓真に挑戦者の堤聖也(角海老宝石)が「次はオレが勝つからな」と声をかけ、井上は「何も言わなかった。しっかりと結果でわからせてやろうかなと。相手は打ち合いだとか、自分の距離にしたいと思うだろうが、離れてもくっついても自分のペースでやるだけ。何もできなかったと言わせる試合展開にする」と豪語した。

井上拓真の兄で、スーパーバンタム級の4団体統一王者の井上尚弥(大橋)も計量に付き添い、「心強い。明日はセコンドにもついてくれる」と井上は語った。

14日には、WBCバンタム級王者の中谷、WBO世界スーパーフライ級王者の田中恒成(畑中)、中谷のジムメイトのWBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ(米国)がそれぞれ防衛戦を行い、那須川天心が初のタイトル戦となるWBOアジアパシフィックバンタム級王座決定戦に挑む。

この7大世界戦は、次なるビッグマッチへの序章に過ぎない。来年の2月か3月には、WBA王者の井上とWBC王者の中谷の日本人同志の統一戦が実現する予定だ。また、フライ級では、WBA王者のユーリ、WBO王者のオラスクアガ、WBC王者の寺地拳四朗の間で統一戦が組まれる可能性がある。

WBOのベルトを持つ田中のスーパーフライ級には、WBA王者のフェルナンド・マルティネス(アルゼンチン)とWBC王者のジェシー“パム”ロドリゲス(米国)がおり、田中vsバムの統一戦が実現すれば世界的な話題となる。

那須川天心は、初の地域タイトルへの挑戦に臨む。勝てば世界挑戦の切符が手に入るが、帝拳サイドは世界挑戦は時期尚早と判断しており、天心自身も「まだまだ強くなるので、ちょっと待ってください」と語っている。そのため、統一戦祭りには、OPBF東洋太平洋王者の栗原との地域タイトル統一戦として参加する予定だ。

井上vs中谷のビッグマッチをメインに複数の統一戦が組まれるイベントが実現すれば、日本ボクシング界の大胆なチャレンジとして世界に注目されるだろう。