【梨田昌孝】岡田監督下の阪神、セ・リーグCS敗退で見えた課題と『やり遂げた感』の影響
阪神がセ・リーグCSファーストステージで敗退した。ホームの甲子園でDeNAに連敗し、2試合で3-10と大きく離された。
阪神の調子は上手くいかなかった。初戦の先発・才木は、ペナントレースからの疲労が残っており、投球にも影響していた。2試合目の先発・高橋は、不運な当たりにも遭ったが、踏ん張りきれない場面も多かった。さらに、3回からリリーフした梅野も、2回の攻撃で15球で4失点と珍しい失点を喫した。
攻撃面でも、シーズン前半のような“つながり”を欠いた。1回に森下のソロ本塁打で先制したものの、2回に高橋が4点を失う展開となった。DeNAのジャクソンが4回に先頭打者として出塁し、5番佐藤輝明の二塁打で二塁に走者を進めた。
4回の無死二塁の場面では、6番前川が151キロの高めストレートを打ち、中飛になった。右方向への当たりを狙っていたが、それがかなわなかった。7回には村上がリリーフ登板し、フォードに本塁打を浴びることになる。
岡田監督の2シーズンが終了した。チームの成績は申し分ないものの、連覇の難しさも明らかになった。青柳、伊藤将、村上らの計算違いや、近本と中野の1、2番の不調が目立った。監督として連続優勝を狙った経験を持つ梨田氏は、「『やり遂げた感』があると、ちょっとした緩みにつながりやすい」と指摘。岡田監督は独自の采配をみせたが、盗塁や四球の減少、失策や打球判断、走塁ミスなど、来シーズンに向けた課題が残った。