ベルギー代表の苦戦:黄金世代の衰退と世代交代の難しさ
ベルギー代表の苦戦:黄金世代の衰退と世代交代の難しさ
サッカー日本代表は、9月に幕を開けたFIFAワールドカップ26・アジア最終予選で開幕2連勝を飾り、ワールドカップ本大会に向けて力強く前進した。一方で、9月の代表ウィークでは、強豪国々の苦戦も目立った。特に、最新FIFAランキング上位30位以内の国々の中で、不調を極めているチームをピックアップして紹介する。今回は、ベルギー代表の状況に焦点を当てる。
ベルギー代表の現状
監督:ドメニコ・テデスコ 最新FIFAランキング:6位 9月成績(UEFAネーションズリーグ・リーグA・グループ2):1勝1敗(順位:3位 / 4カ国中)
ベルギー代表は、ティボー・クルトワ、ケヴィン・デ・ブライネ、エデン・アザール、ロメル・ルカクといった黄金世代を擁し、一気に強豪の仲間入りを果たした。しかし、各国から恐れられた“赤い悪魔”は、いまやすっかり弱体化してしまっている。
黄金世代の衰退
煌めく才能を持つタレントが集結したチームの代替わりは、いつの時代も難しい。再現不可能なジェネレーションに頼りすぎると、若手の台頭が遅れ、黄金世代の衰えと共にチームが地盤沈下していく。ベルギー代表の繁栄から衰退までの流れも、まさに世代交代失敗の典型と言える。
エデン・アザールは現役を退き、ケヴィン・デ・ブライネは長年の勤続疲労からか怪我がちに。ロメル・ルカクもピーク時の“怪物”ぶりが影を潜めており、プレーに陰りが見えている。一方、彼らを問答無用でベンチに追いやるようなイキの良い若手の突き上げにも乏しく、チームには慢性的な停滞感が漂っている。
世代交代失敗の責任
もちろん、世代交代失敗の責任は黄金世代にあるわけではなく、2023年2月に指揮官に就任したばかりのドメニコ・テデスコ監督のせいでもない。過去の政権下で計画的に若手を登用していれば、もう少し違った未来がベルギー代表に訪れていたかもしれない。
最近の成績
今年6月から7月にかけて開催されたUEFA EURO 2024(ユーロ2024)で、ベルギー代表はフランス代表に0-1で敗れ、ラウンド16で姿を消した。9月のUEFAネーションズリーグ・リーグA・グループ2でも1勝1敗と成績は芳しくなく、同グループ3位に沈んでいる。
今後の展望
ワールドカップ(W杯)3位の座に輝いた2018年のロシア大会から、早くも6年が経過した。ベルギー代表がFIFAランキング6位に相応しい戦いを見せているかについては、大きな疑問が残る。今後、チームの立て直しと若手の育成が急務となることは間違いない。
ベルギー代表の今後の動向に注目が集まる中、彼らがどのように立ち直り、再び強豪国の仲間入りを果たすかは、サッカーファンにとって大きな関心事となるだろう。