【大学野球】法大・松下歩叶、東大戦で今季3号もチームの敗戦forge前を向いて歩み続ける
相当強い勝負へのこだわりを持つ法大・松下は、2回表に1点を追う状況で左越えの同点ソロを放った。これは前日からの2試合連続本塁打となる快撃で、2回戦でも1点を追う2回表、東大のサブマリン・渡辺向輝から今季3号の同点ソロを決めた。試合は接戦の展開となり、9回裏に2対3でサヨナラ負けを喫した。
松下歩叶(3年、桐蔭学園高)は、東大1回戦で3安打6打点をマークし、16対0の先勝に貢献していた。試合後、松下は厳かな表情でパフォーマンスを振り返った。
「(渡辺投手とは)8月の東京六大学オールスター(北海道)で一度対戦している。球速以上にボールが手元で伸びてくるので、詰まらないように、前でさばくようにしました。」
3年生ながら松下は勝負へのこだわりが強い。第2週の立大4回戦では延長13回裏にサヨナラ本塁打を放ち、勝ち点奪取に貢献した。しかし、第3週の早大戦では3試合で10打数2安打1打点と力を発揮できず、チームは1分2敗で勝ち点を落とした。
第4週は空き週。東大との第5週を迎えるまでの期間、法大の大島公一監督は松下の姿勢について語った。
「責任感がある。自分自身に腹が立っていたのか、必死に練習をしていました。」
早大戦までは打球方向などを設定して打席に立っていたが、「自分のスイングをする」ことを徹底。東大戦では2試合連続アーチを含め、8打数5安打7打点を記録した。通算6本塁打で、今春は2本塁打を放ち、年間5本と量産体制に入っている。
「本塁打へのこだわりはありません。打席できっちり、自分のスイングができている。2試合連続で打てたことに関しては良かったですが、毎日、気持ちを切り替えてやっている。また、明日、一から集中していきたい。」
勝負師である松下は、今夏は侍ジャパン大学代表としてアメリカとのハーレムベースボールウィーク(オランダ)の決勝で逆転2ランを放ち、チームを優勝に導いた。チェコとオランダで2つの国際試合で優勝を経験し、勝つ喜びを知っただけに、もどかしい日々が続いている。しかし、松下は前を向いて歩み続ける。
「(早大戦後は)だいぶ悔しくて…。何も手がつかないこともありました。今日の黒星も(早大戦と)同じく悔しい。この負けは変えられない。3回戦に向けて、自分たちのコントロールできることをやっていく。」
背番号4の松下は、チームを背負う覚悟を持ち、勝利のための1プレーに集中していく。