「眼窩底骨折」からの復活！東北大鈴木杜朗の本塁打がチームを勝利へ導く！【仙台六大学】

東北大の鈴木杜朗（4年、仙台二）が初回に2点本塁打を放ち、チームに先制点をもたらした。2回には藤田勇希（3年、横浜サイエンスフロンティア）の2点適時打、4回には植木祐樹（4年、長野吉田）の適時内野安打が決まり、着実に加点。投げては先発の佐藤昴（3年、仙台一）が9回145球8安打1失点の好投でチームに勝利をもたらした。

佐藤と東北工業大の後藤佑輔（4年、仙台育英）による投手戦が予想されたが、鈴木が初回2死一塁の場面で左翼席へ運ぶ一発を放ち、後藤の出鼻をくじいた。鈴木は「後藤は下級生の頃から打てていなかった相手。序盤で勝負を決めたいと思っていたので、初回から2点取れてよかったです」と語った。仙台六大学リーグでは好左腕が多いことから、日頃の練習で左投手対策を徹底してきた。

鈴木は1年秋からレギュラーとして活躍し、2年春からは4番として打線の中軸を担ってきた。3年春には主将に就任したが、今年2月に練習中に眼窩底骨折を負い、約1か月間離脱。復帰後も打席で本来のパフォーマンスを発揮できず、内野守備にも就けない時期が続いた。春のリーグ戦では指名打者として出場し、主に下位打順を打った。

今秋は完全復帰を果たし、全試合に「4番・三塁」でスタメン出場している。しかし、チームは開幕6連敗と苦しいスタートを切った。前節の東北学院大戦では重要な場面で失策し、「自分のミスで負けてしまった」と責任を感じていた。この日の試合では、鬱憤を晴らす一発と1勝を挙げ、「気持ちを切り替えて工大戦に向けて練習してきた。勝ちたい相手だったので嬉しい」と笑顔を見せた。

鈴木は「自分は前に出て発言するタイプではないし、厳さん（小林厳・前主将）のように言葉で引っ張れるタイプでもないので、行動で示す」と話しており、守備の時間も仲間を鼓舞する大きな声を出してチームを盛り上げている。残り少ない大学野球では「順位どうこうよりも、とにかく目の前の一戦に勝つ」ことを目指し、頼れる背番号10が東北大の「定位置」に帰ってきた。