「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で見る現代の内戦とジャーナリズムの力
ジェシー・プレモンスはキルステン・ダンストの夫として重要なシーンに登場する。『シビル・ウォー アメリカ最後の日』は、正直なところ観終わった瞬間、ちょっとだけ後悔しました。重い、キツい。しかし少し時間が経つと、レビューや解説を通じて、ジワジワと自分が感じたことを反芻したくなりました。そして「恐ろしい」「辛い」を超えて、誰かと語りたくなるのです。
物語は、アメリカ政府とテキサス、カリフォルニアからなる西部同盟の内戦による武力衝突を描いている。キルステン・ダンストが演じるリー・スミスを含む4人のジャーナリストが、ホワイトハウスに向かう道中、様々な出来事に遭遇する。分断や差別が描写され、現代の戦争の現実的な描写が見慣れた光景と隣接している。人間関係が悪化し、無慈悲な暴力に至る様子は、人がこれほど暴力的になれるのかと暗澹たる気持ちにさせる。しかし、絶妙な音楽選択や巧みなストーリーテリングにより、映画として「面白い」と感じる。
また、ジャーナリストたちの「先輩後輩」の関係が見どころの一つだ。キルステン・ダンストは感情を抑制した女性フォトジャーナリストを演じ、戦場を静かに信念を貫く姿に多くの女性が刺激を感じるだろう。彼女の夫ジェシー・プレモンスも役柄を支えており、『プリシラ』でケイリー・スピーニーが演じる若手ジャーナリストの成長がラストシーンに深い感慨をもたらす。究極の状況での人間の行動というテーマが作品全体を貫き、素晴らしい役者陣による演技が映画の魅力をさらに引き立てている。
編集部でも日々「アレ観た?」と盛り上がっている。アメリカの歴史や現状を深読みできるシーンも多く、若手への仕事の継承という点でも多くのスタッフがインスピレーションを得ている。映画ファンにとっては、キルステンとジェシーの夫婦共演も大きな魅力である。
作品中、戦争とは正反対の瀟洒なファッションブティックで本を読みながら店番をする女性が、「内戦には関わらないようにしている」というシーンがある。しかし、少しの誤解が世界のどこででもこのような事態を引き起こす可能性がある。ただ平和を願っているだけでは十分ではなく、切迫した思いを残す作品である。