「虎に翼」第127話:寅子VS美雪、衝撃の対決と深い人間ドラマ

「虎に翼」第127話:寅子VS美雪、衝撃の対決と深い人間ドラマ

連続テレビ小説「虎に翼」第127話

NHK連続テレビ小説「虎に翼」の第127話が24日に放送されました。本作は、日本初の女性弁護士・判事・裁判所所長となった三淵嘉子氏をモデルに、法曹の世界に飛び込む日本初の女性・猪爪寅子(伊藤沙莉)の人生を描く物語です。脚本は、向田邦子賞を受賞した「恋せぬふたり」などの吉田恵里香氏が担当し、朝ドラ通算110作目となります。伊藤沙莉は2017年度前期の「ひよっこ」以来2回目の朝ドラ出演で、初主演を務めています。

第127話の展開

1972年(昭和47年)5月、最高裁大法廷。山田よね(土居志央梨)と轟太一(戸塚純貴)が弁論を終えた頃、並木美雪(片岡凜)が再び東京家裁に送致されました。件名は「窃盗教唆事件」「売春防止法違反事件」。新潟時代、森口美佐江(片岡凜)と同様の事件が再び起こったのです。佐田寅子(伊藤沙莉)は、約20年前の後悔と向き合うことになります。

美雪は調査を拒否し、「調査なんて要りません。ぜーんぶ、私がやりました。正直に答えたご褒美に、質問してもいいですか」と言います。そして、「先生はどうしてだと思います?どうして人を殺しちゃいけないのか」と質問します。美雪は続けて、「もしかして、母も同じ質問を。(喜び、安堵の表情を浮かべ)そうなんだ。お母さんも同じことを」と言います。

寅子は冷静に答える。「奪われた命は元に戻せない。死んだ相手とは、言葉を交わすことも、触れ合うことも、何かを共有することも永久にできない。だから人は、生きることに尊さを感じて、人を殺してはいけないと本能で理解している。それが、長い間考えてきた、私なりの答え。理由が分からないからやっていいじゃなくて、分からないからこそやらない。奪う側にならない努力をすべきと思う」

美雪は笑い声を上げ、「そんな乱暴な答えで、母は納得しますかね」と言います。

寅子は美雪の質問に真摯に答える。「美雪さん、私は今、あなたの質問に答えています。お母さんの話はしていません。私の話を聞いて、あなたはどう思った」

美雪はナイフを取り出し、音羽綾子(円井わん)が「馬鹿な真似はやめなさい」と制止します。

美雪は対面の席から立ち上がり、寅子に近づきます。「母の手帳をご覧になったんでしょう。母も娘も、他の子たちとは違う。異質で特別で、手に負えない。救うに値しない存在だと」

寅子は力強く反論する。「逆」「全く逆!あなたもお母さんも、確かに特別。でもそれはすべての子どもたちに言えること。あなたたちは異質でも、手に負えない子でもない。手帳を読んで気づいた。私は、あなたのお母さんを、美佐江さんを恐ろしい存在と勝手に思ってしまった。そのことが過ちだった。美佐江さんは、とても頭は良かったけれど、どこにでもいる女の子だったと思う」

美雪は疑問を投げかける。「どこにでもいる女の子が人を支配して操ろうなんて思いますか」

寅子は深く反省する。「でももう真実は分からない。なぜなら私たちは、美佐江さんを永遠に失ってしまったから。私は美佐江さんに対して、すべてを間違えた。もっと話をすべきだった。彼女が分からないなら、黙って寄り添うべきだった。1人の大人として、そうすべきだった。ごめんなさい」

音羽は寅子を心配する。「そんなの、綺麗事が過ぎます。そこまで佐田判事が背負うことじゃない」

寅子は決意を新たにする。「そう。あの時、私は、そう思って線を引いた。それが巡り巡って今、あなたが目の前にいる。(立ち上がり)だからね、美雪さん、私もうこんなことを繰り返したくない。あなたのことはあきらめたくないの。あなたはお母さんを真似しなくていい。手帳に残された言葉の意味や、お母さんをかばう理由を見出そうとして傷を負わなくていい。お母さんのこと嫌いでも好きでもいい。親に囚われ、縛られ続ける必要はないの。どんなあなたでいたいか、考えて、教えてほしいの」

美雪は涙を流し、「つまらない。そんなの、つまらない。そんなの、ありきたり。そんな私じゃダメ…」と叫びます。

寅子は力強く答える。「どんなあなたでも私は何だっていい!どんなあなたでも、どんなありきたりな話でも聞くわ。だから、話しましょう。何度でも」

美雪はナイフを床に叩きつけ、部屋を後にします。寅子は体の力が抜け、イスに腰を下ろします。

美雪は試験観察のため、民間の施設で生活を送ることになりました。

視聴者の反応

「寅子VS美雪」の一連のシーンは約8分間続き、SNS上では多くの反応が寄せられました。「美雪…お母さんと思考回路が同一すぎて怖い」「親子して、その質問か」「話を逸らすのも母親そっくり」「ぎゃー!何でナイフ持ち込み許したの」「いや手荷物検査わい!?」など、視聴者を恐怖に陥れたシーンが話題となりました。

この第127話は、寅子と美雪の対話を通じて、人間の内面や社会の問題を深く掘り下げ、視聴者に強い印象を残しました。今後の展開がますます楽しみになる一話となりました。